ATLサイトができるまで
佐藤
こんにちは、デザイナーの佐藤です。
今回はATLサイトのコンセプトからデザインまでのプロセスを紹介します。
まず、新しいラボのサイトなので、どのようなイメージを持ってもらいたいかという基本的なコンセプトからメンバーと考えていきました。ATLを体現するいくつかのキーワードの中から二つの異なるイメージを導きだし、言葉でコンセプトを検討しました。
【A案】前衛的な尖ったイメージ
グリッドデザインでクールな印象
キーワード:ミニマルデザイン(※1)、バウハウス(※2)、クール
【B案】活動的で元気なイメージ
メッセージを前面に押し出してラフな印象
キーワード:元気な、コミック、ラフ
二つの案をつくった理由は、比較するものがあると、より具体的な検討がしやすくなるからです。言葉だけではメンバーの中でイメージの共有が難しくなります。デザインをする上でも早い段階での「見える化」がメンバー間のコミュニケーションにおいて大切なため、ラフの段階でのビジュアルイメージの作成を行いました。
これらのコンセプトから制作したトップページのラフ案は以下の二つです。
今回は限られた時間ということもあり、かなり具体的な表現まで一気に作り上げています。
ここが一番面白いところでもあるのですが、かなりの部分はデザイナーの頭の中で考え形になってしまうので、どうにかお見せできる方法を考えたいと思います。
【A案】トップを全てのコンテンツのポータルとして見せる構成
【B案】活動的なイメージを前面に出し文脈に沿って構成する
すでにリリースされていることもあり、A案になったことはわかると思いますが、みなさんはどのような印象をお持ちになったでしょうか?
A案になった要因は、ラボの印象をより"尖った"印象にしたいというポイントでした。キーワードにしていたミニマルデザイン、バウハウスはある意味"尖った"考え方のため、そのポイントにぴったりとあてはまりました。
一方、B案は同じくリクルートのメディアテクノロジーラボとの差がつかないのではという懸念もされたため今回は残念ながらお蔵入りとなりました。
駆け足でしたかが、コンセプトからデザインまでのプロセスを紹介しました。いかがだったでしょうか?今回は二案でしたが、世に出ているデザインは本当に一部で数多くのお蔵入り案が存在しています。お蔵入り案と選ばれなかった理由を並べて眺めるのも面白い試みになりそうですよね。
レスポンシブデザインについては別途記事にする予定です。
どうぞお楽しみに!
ミニマル・デザイン(Minimal Design)は、あまり使用しない機能のせいでシステムが肥大化することを避け、必要最小限の機能に絞って設計することをいう。
バウハウスは、1919年、ドイツ・ヴァイマルに設立された、工芸・写真・デザインなどを含む美術と建築に関する総合的な教育を行った学校。また、その流れを汲む合理主義的・機能主義的な芸術を指すこともある。