【イベントレポート】リクルート流データ基盤塾 第2弾の振り返りとアフタートークのご案内

目次

はじめに

こんにちは、Recruit Data Blog担当の森です。 2025年6月23日、当社現役データエンジニアが登壇する「リクルート流データ基盤塾」の第2弾を開催しました。社内では通称「鶴谷塾」とも呼ばれており、今回の鶴谷塾では『ホットペッパーグルメ』『カーセンサー』『SUUMO』における取り組み事例をご紹介しました。さらに8月22日には、アフタートークの配信も予定しています。

本記事では、イベントの開催背景や当日の内容を振り返りつつ、アフタートークの詳細もご案内します。ぜひご一読ください。

リクルート流データ基盤塾 第2弾

1. 開催のきっかけ

本イベントは2024年9月19日に開催しご好評いただいた第1弾に続く、第2弾として開催されました。主催はリクルートのデータ推進室です。

第1弾「リクルート流データ基盤塾 ~鶴谷と学ぶ~」(2024年9月開催)
第1弾「リクルート流データ基盤塾 ~鶴谷と学ぶ~」(2024年9月開催)

リクルートには国内トップレベルのシェアを持つ事業領域が数多くあり、そこから蓄積されるデータは、膨大かつ多岐にわたります。データエンジニアはそのデータを分析、活用するためのデータ分析基盤を運営しています。

今回は、そうしたデータエンジニアの理解を深めていただくことを目的に、各事業領域での具体的な取り組み事例や、複数事業を横断的に支えるプロダクトの開発事例をご紹介しました。

第1弾のアーカイブ動画は こちら

2. イベント概要

当日はデータ推進室の鶴谷とデータエンジニア3名が登壇し、以下のスケジュールで進行しました。

  • 19:00~19:05 オープニング
  • 19:05~19:20 『ホットペッパーグルメ』のデータ活用による営業生産性向上の事例
  • 19:20~19:35 『カーセンサー』のレコメンドAPIへの戦略的ドメイン駆動設計の導入事例
  • 19:35~19:50 『SUUMO』の事業成長を支えるレコメンドAPI基盤の進化事例
  • 19:50~20:00 クロージング

2-1. 『ホットペッパーグルメ』のデータ活用による営業生産性向上の事例(熊川)

トップバッターは、2024年にキャリア入社した熊川が務めました。『ホットペッパーグルメ』の営業生産性向上を目的としたプロジェクトに参加し、現在は営業用社内ツールの開発・運用を担当しています。

当初、営業担当者は商談準備やクライアントの課題把握に多くの時間をかけており、限られた時間の中で本来注力すべき提案の質向上や関係構築に十分なリソースを割けないという課題を抱えていました。
そこで、分散していた複数のデータを統合する内製ツールを開発し、商談準備の効率化と課題把握の精度向上を実現したのが本事例です。
ツールの開発体制は下図です。

内製ツール開発体制

実装面では、不要なデータの排除やMysqlの利用への最適化などを心がけました。

データエンジニアリンググループで心がけたことまとめ

その結果、営業担当者のツール利用率は80%となり、30%の工数削減を達成しました。

結果

営業担当者を巻き込んだ開発プロセスにより、営業組織への解像度を高めることができ、モチベーションや成果にも繋がったとのこと。今後も、さらなる営業生産性の向上が期待されます。

2-2. 『カーセンサー』のレコメンドAPIへの戦術的ドメイン駆動設計の導入事例(樺島)

続いて、2020年に新卒入社し、現在は『カーセンサー』の中古車レコメンドシステム基盤の開発・運用を担当している樺島が事例を共有しました。

カーセンサーでは、中古車物件情報とユーザーの閲覧履歴をもとに、データサイエンティストがロジックを作成し、データエンジニアがシステムを構築しています。短期スパンで案件リリースがあるため、様々な拡張・変更への高速な対応が必要でした。 そこで導入したのが、戦術的ドメイン駆動設計(戦術的DDD)です。

レコメンドAPIの特徴

「業務の関心事」と「実装の関心事」を分離した設計により、レイヤーの設置と依存関係の制約を行いました。

戦略的DDDの概要

レイヤーは下図の通り4つです。

レコメンドAPIでのレイヤー

引き続き、Design DocとADRを書く文化を構築しながら、より良いアーキテクチャを目指していくとのことです。

2-3. 『SUUMO』の事業成長を支えるレコメンドAPI基盤の進化事例(三田)

最後の事例共有は、2018年に新卒入社し、現在はデータエンジニアとして『SUUMO』のレコメンドシステムの開発・運用を担当する三田が務めました。

従来の『SUUMO』はGRAF2という基盤を使っていましたが、データ活用の拡大により、多様なAPIを高速で開発する必要が出てきました。そこで、より汎用的なAPIを開発できる基盤に進化させたのが本事例です。

SUUMOにおけるデータ活用施策:物件レコメンド

API開発テンプレートをFastAPIベースに刷新し、共通機能をライブラリとして提供。これにより、開発者はビジネスロジックの開発に集中できるようになりました。

新基盤GRAF3:API開発テンプレート改善

インフラの改善で、複数のAWSアカウントにGRAF基盤を構築することも可能になりました。

新基盤GRAF3:インフラ改善

その結果、直近1年間で20個程度のAPIを新規構築、リリースすることができました。 このようにサービス動向や事業戦略を踏まえ、現場エンジニアがボトムアップで技術投資を推進、実行する文化が、リクルートには根付いています。

3. アフタートークのご案内

ここからは「リクルート流データ基盤塾」第2弾のアフタートークについて、ご案内します。

配信日は8月22日(金)。データ推進室 情報受信フォームに事前登録いただいた方限定で、公開予定です。ご登録いただくと、第2弾イベントのアーカイブ動画&スライド資料もご覧いただけます!

▼ 登録フォーム
https://recruit-mid-career.my.salesforce-sites.com/career?id=a02Q900000hMmEvIAK

アフタートークでは、イベント本編で語りきれなかった「リクルートのデータ推進室の働きやすさ」や「リモート環境でのコミュニケーションの工夫」など、ソフト面にフォーカスしたお話をざっくばらんにお届けいたします。 現場で活躍するデータエンジニアたちの、リアルな想いや裏話に触れられる貴重なチャンス。少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひご登録ください。

※登録からアフタートーク配信まで、お時間をいただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

おわりに

今回は「リクルート流データ基盤塾」第2弾の振り返りと、アフタートークのご案内をしました。本イベントを通して、リクルートにおけるデータエンジニアの仕事や実際の取り組み事例について理解を深め、興味を持っていただけたら嬉しいです。

8月22日のアフタートークも、ぜひご覧ください!

記事内容及び組織や事業・職種などの名称は、編集・執筆当時のものです。