【前編】世界最大級のインタラクティブ技術・コンピュータグラフィクスの国際学会 “SIGGRAPH Asia” で最先端のVR・AR・CG・デバイス・教育技術に触れる !! ~~渡航・生活・設営編~~
鶴田 真也
この記事は RECRUIT MARKETING PARTNERS Advent Calendar 2017 の投稿記事です。
みなさまこんにちは。リクルートマーケティングパートナーズの鶴田です。2017年度新卒エンジニアとして、普段の業務ではスタディサプリ進路チームにて、iOSエンジニア、ときどきデザイナなどをやっています。
研究その他では、ヒューマンコンピュータインタラクション (HCI)、ユーザインタフェース、超音波や光によるセンシング、デジタルファブリケーション、機械学習、デバイス制作やコンテンツ制作などが好きです。
今回、タイのバンコクにて 11/27-11/30 をかけて開催された SIGGRAPH Asia 2017 に参加してきたため、その様子を前・後編の2回に分けてレポートします。前編となる本記事では、開催地バンコクへの渡航や、生活にまつわるTipsなどを紹介していきたいと思います。
SIGGRAPH は、アメリカ合衆国を中心とする世界最大級のコンピュータサイエンス (CS) 学会たる ACM1)これと双璧を成す学会としては規格等でも有名なIEEEが挙げられます。 が主催する国際学会の1つです。詳しい紹介は後編に譲りますが、端的に言うと、世界中から映画産業やゲーム産業、その他のクリエイティヴ関係の業界人や、関連分野の第一人者たる研究者たちが一堂に会する、いわば世界で一番大きいCGのお祭りです。
そんな SIGGRAPH ですが、毎年夏に世界各地で開催される SIGGRAPH と、同じく毎年冬にアジア圏で開催される SIGGRAPH Asia が存在します。筆者は、今年度の夏にロサンゼルスで開催された本体の SIGGRAPH 2017 にて "ReverseCAVE" というVR共有手法の研究発表を行っており、今回の SIGGRAPH Asia では、この研究内容を体験可能なデモ展示を行ってきました。
今回は開催地が筆者が初めて訪れるタイということもあり、せっかくなので体験した内容すべてをつぶさに書いていきたいと思います。
これであなたもタイマスター!! 🇹🇭🇹🇭🇹🇭🎉🎉🎉🐘🐘🐘 (ただしバンコクに限る😭)
記事一覧
- 前編: 渡航・生活・設営 <- この記事
- 後編: 学会参加レポート
準備
さて、何はともあれタイです。最低限準備するものは飛行機、宿、SIMカード、通貨、衣服、あとは… 言語でしょうか。
飛行機と宿
アジアということで、比較的お安くなっております。例えば、格安の航空券とホテルがセットで予約可能なサービス等を利用した場合、直行便でも8-9万円、乗り継ぎありならば6-8万円ほどで、飛んで泊まることができます!2)ただし、このようなサービスを選択した場合には、キャンセルにもそれなりのリスクが伴います。選択した航空会社によっては、このような格安予約サービスからのキャンセルは一切受け付けない、などの措置を執っている場合もあります。 乗り継ぎありの場合はこのように大幅に価格が下がるため、もし時間に余裕がある場合はせっかくなので利用してみるのも良い経験だと思います。
ということで今回は乗り継ぎありでベトナム航空を選択し、ベトナム (ハノイ) 経由でタイに入国します (帰りはホーチミン経由でした)。また、宿泊先も様々に選択することが可能ですが、今回筆者は会場に可能な限り近いホテルという条件で宿泊先を決定しました。
飛行機と宿を予約すると、飛行機はE-チケットや確認番号が届きますので、こちらを空港の航空会社のチェックインカウンターで提示して3)成田のベトナム航空にはセルフチェックインスタンドが無かったためカウンターのみでした。、手荷物を預けて航空券を発券してもらい、いつものように検査等を受けた後に搭乗します。同じくホテルにおいても、予約時と整合する個人情報等を確認できればチェックインすることが可能です。
飛行機乗り継ぎを選択した際の注意点ですが、経由地の入国審査等は数十分から一時間ほどの時間を要する場合が普通なので、乗り継ぎ時間は2時間以上を確保しておくのが重要ポイントです。4)これまでの経験上、1時間では何かあったときにアウト、1時間半でギリギリといったところです。
SIMカード
AIS社の以下のSIMカードが安くておすすめです。
【AIS】タイ プリペイド SIM7日間 データ通信無制限 100分無料通話つき
売り上げランキング: 349
ポイントは以下。
- 600円ほどでとても安価
- 2.5GBの4G高速通信が可能
- タイ国内への発信約100分、日本携帯への国際発信約16分が無料
- AISのWiFi (主要大型施設や空港にはまず存在します) が使い放題
- 高速通信の容量 (2.5GB) を使い切っても、以降は384kbps5)SNS等では十分な速度です。で使い放題。また高速通信も課金リフィル可能
- Grab (アジア版Uberのような配車サービス。後述します) の150バーツ割引がもらえる
また、 以下のSIMカードもおすすめです6)弊社 平野 の記事 【羽田・成田空港からわずか5時間】Android / iOS エンジニアのワイが深圳の魅力を語り尽くす もご参照ください。。
アジア周遊 プリペイド SIMカード!3G/4Gデータ通信【8日間4GBデータ定額】True TRAVEL ASIA SIM
売り上げランキング: 3,378
ポイントは以下のようになります。
- 価格は前者の2倍以上になってしまうが、4GB分の高速通信が可能。ただし超過後は128bps7)正直何をするにもつらい速度です。で使用可能
- 周辺のアジア諸国でも使用可能
今回は、前者のAIS社のSIMカードを選択しました。以下は実際の通信速度の参考です。
市街地ではまあまあこのくらい | ちなみにこちらは空港…😳😳😳 |
通貨
通貨は TBH (タイバーツ、通称バーツ) になります。1バーツは大体 2.7-2.9 円ほどです。つまり数値的には日本円の数字の 1/3 程度と覚えられます。
物価は日本よりだいぶ安いです。例えばごく普通の屋台であれば40バーツほど (百数十円) で十分な食事ができます。ただし、海外に行った際にはよく感じると思いますが、わりとすぐに現地の物価感覚が身にしみるため、たとえ日本円に換算して安い場合でも、これは高いなあ…みたいなことを思うことはしばしばあります。例えば一番大きなお札は1000バーツ (約3000円) ですが、これがすぐに一万円札のように思えてきます…!
現金ですが、もし日本円の現金を替えておきたい場合は空港で予め両替しておくのが安心です。しかし、基本的に観光地やデパート等の両替所の方がまだレートが優れていることが複数の場所で確認できました。このように、日本円をキープしておいて、ショッピング中に足りなくなったら替えたいという方は、できるだけ空港での両替は避けるのがベターです。両替の回数は多なるべく減らし、このような場所でお土産などの予算をがっつり確保するとよいでしょう。
他にも、VISA、JCB、Amexなど、他にもほとんどのクレジットカードは、いたるとろにある各現地銀行のATMから現金を引き出すのに使用可能です。これには手数料が掛かります。
一応、実験として LINE Pay カード (JCB prepaid) によるATMからの現金の引き出しも試してはみましたが、こちらは海外送金に対応していないため、使用することができませんでした。
衣服
赤道が近い国ですので、基本的に暑いです。筆者が訪れた11月末は、雨季ではないものの、基本的にずっと半袖一枚で丁度良いくらいでした。
下着類などはコンビニなどでも安価に手に入るので、旅慣れている方の場合は、荷物を省略して現地で調達するメソッドが通用するタイプの国となっています。
言語
十数年前に比べると格段に英語が通じると聞いてましたが、現地に行ってみてそうだと実感しました。買い物などの場面ではまず大丈夫です。
覚えておいた方が良い単語は、身も蓋もないですが、「おいくらですか?」の意味の「タオライ?」です。これさえあれば現地感を出しつつ、ともすればボッタクリも予防でき、なんとか生きていけます…!👍 (こんなんでいいのか… しかし英語は素晴らしい…😭)
出発&到着
早速飛んでいきましょう。前述の通り、今回は成田からベトナム航空でハノイ経由でバンコクへ降り立ちます。
交通手段
今回 SIGGRAPH Asia が開催される会場は、市街地から電車で1時間強ほど、空港からは20分ほど離れた場所にある、BITEC (バンコク国際貿易展示場) というエキシビションセンターです。このためなにかと
[空港] ↔ [会場・ホテル] ↔ [市街地]
間の長距離を移動する必要があります。地図にすると以下の範囲を移動します。
これらの移動に便利な交通手段を目的別に紹介します。
鉄道
鉄道は、バンコクに居る限りは都市鉄道を利用するのが便利です。都市鉄道には以下の2つがあります。
BTS (バンコクスカイトレイン)
BTSはバンコクの幹線部分において高架によって張り巡らされた鉄道です。バンコクに到着すると、幹線道路の中央を通る巨大な高架を目にすることが多いですが、これがその線路です。はじめは高速道路と勘違いしていました。
乗車するためには、薄いプラ製のカード型チケットを購入します。チケットは券売機で行き先を指定して購入します。駅によっては券売機が硬貨のみ対応で、紙幣を使うにはカウンターに行く必要があるため注意が必要です。価格は距離制で、参考に40分強の移動で60バーツほどでした。
また、一日乗車券や、Rabbit🐰 というかわいいSUICAのようなリチャージ可能CIカードを購入して使用することもできます。
車内アナウンスはタイ語に加えて英語が使用され、車内路線表示はLEDインジケータ付きで大変分かりやすいため、目的地さえ分かっていれば電車で迷子になることはまずありません。また Google MAP の乗り換え案内が十分に使えるため、事前に検索しておけば完璧です!
MRT (バンコクメトロ)
MRTは地下鉄です。上のBTSはいわゆるバイパス道路のようなものなので、目的地によっては地下鉄に乗り換えることも多いです。
タイの地下鉄は、台湾や韓国の地下鉄と同じく、コイン型のRFIDチケットを購入します。チケット販売機で行き先を指定して支払を行うと、コインが落ちてきます。
これまた他の国と同じく、改札に入る際はコインをタッチ、改札から出る場合はコインを投入して返却します。
バンコク・スカイトレイン
バンコク・スカイトレイン
Grab
Grabはご近所さんであるシンガポールの企業が提供している配車サービスで、マレーシアやタイなどでもUberとしのぎを削っています。Uberとほぼ同様のシステムなので、携帯電話番号8)購入したSIMカードには携帯電話番号もついています。とクレジットカードを登録します9)ちなみにここでも LINE Pay カードは使用不可でした。。そして、迎車場所と行き先を指定すれば、ものの4-5分ほどで向かえに来てくれます。
Grabの良い点は、ちょっとあやしいタイプのタクシーとは違ってきっちりとメーターを回してくれること、現金が使える車両も多いこと、タクシーのみならずバイクタクシーなども配車してくれること、などがあります。
トゥクトゥク
タイといえばトゥクトゥクとバイクタクシーといったところがあるくらいには、有名です。要するに三輪トラックによるタクシーなのですが、すごいのが皆さん車両をデコトラのように改造してキラキラにしているところです。あと観光客はすぐにわかるので、料金を多めに提示されることはあるようです。
大きめの荷物などを輸送する場合などに利用しましょう。
バイクタクシー
タイで移動する醍醐味といったらこれに尽きるかもしれません。要するに、二人乗りさせてもらう形式の、とても安価な送迎システムです。すごいのが、たとえノーヘルであっても時速60kmで爆走します。横座りしてスマホをいじっている女性や、また逆にマイヘルメットを持ち歩いている人なども多く、現地の慣れている方たちは近くへの移動でかなり積極的に利用しているようです。
登録制のようで、大体オレンジ色のベストを着てスクーターに乗っているおじさんがいたらその人がバイクタクシーです。町の歩道のいたるところに駐機場があるため、いつでもどこでも乗ることができます。あと、やはり観光客だったり遠目の目的地だったりすると少し高めの価格設定をされることはあるので11)とは言っても日本円にしたら安いです…、そこは始めに価格を聞いておいて交渉です。
その他
水上バスは特に観光で寺院などを訪れる際に利用できます。もっとカジュアルなエンジン剥き出しの水上タクシー12)スターウォーズのポッドレースみたいな。も存在します。路線バス、一般のタクシーは今回使用していません。路線バスは、数日過ごすうちにやはり国民の重要な足になっていることが感じられたので、またいずれタイに行くことがあれば試してみたいと思います。
食事
とりあえず生きていく為には食事が必要です。
とはいっても、タイはそこら中に朝から屋台がひろがっており、特に食事に困ることはありません。地元の方たちは、勤務先や学校との行き帰りの途中、こういった屋台でさくっと食事を済ませる人も多いそうです。
とても安価で美味しいものばかりなので、せっかくタイに来たならばおすすめです。調理済みのものであれば安全度も高いですが、これはあたりやすい、などの食材は事前知識として持っておきましょう。
また、情緒は無いですが本当に1ブロックおきくらいのレベルで頻繁にセブンイレブンが展開しています。さくっと安全な食料を手に入れるには最適です。
お菓子などは日本のものも多いです。
マクドナルドもそのままの味でした。
ショッピングモール等のフードコートでは、必ずデポジット式のカードにチャージして各店で食べ物を購入します。これは主に衛生上の観点からだそうです。さいごにカードに余った金額は現金で返金してもらえます。
屋台の延長ですが、夜市に行くのもよいでしょう。バンドパフォーマンスが行われていたり、衣類までも購入することができます。
設営
開催日前日は設営日です。ホテルから機材を会場である BITEC (バンコク国際貿易展示場) に搬入します。
このとき、BITECは東京ビッグサイトの東館が何個か分程度はある、とても広大な展示場であるということを思い知らされました。
無事に設営まで終えることができました。
このように、バンコクはクレカとSIMカードさえあれば、あとは着の身着のまま (ただしあつい) で、突然行っても全然問題無く暮らせるということがわかりました!! (ほんとか)
様々な歴史的な寺院や、広大な夜市、ショッピングモールなど、観光するUIもUXも大変充実していますので、是非みなさま一度訪れてみては! ☺️
前編はここまでとなります。
おまけ
脚注
↑1 | これと双璧を成す学会としては規格等でも有名なIEEEが挙げられます。 |
---|---|
↑2 | ただし、このようなサービスを選択した場合には、キャンセルにもそれなりのリスクが伴います。選択した航空会社によっては、このような格安予約サービスからのキャンセルは一切受け付けない、などの措置を執っている場合もあります。 |
↑3 | 成田のベトナム航空にはセルフチェックインスタンドが無かったためカウンターのみでした。 |
↑4 | これまでの経験上、1時間では何かあったときにアウト、1時間半でギリギリといったところです。 |
↑5 | SNS等では十分な速度です。 |
↑6 | 弊社 平野 の記事 【羽田・成田空港からわずか5時間】Android / iOS エンジニアのワイが深圳の魅力を語り尽くす もご参照ください。 |
↑7 | 正直何をするにもつらい速度です。 |
↑8 | 購入したSIMカードには携帯電話番号もついています。 |
↑9 | ちなみにここでも LINE Pay カードは使用不可でした。 |
↑10 | 車椅子です。 |
↑11 | とは言っても日本円にしたら安いです… |
↑12 | スターウォーズのポッドレースみたいな。 |