【密着取材】第17弾 ビジネスアーキテクトも担い、事業戦略に伴走する開発ディレクター
宮﨑萌子
前職は航空系のSIerでシステム開発をしていたという妙中。「使っているカスタマーの顔がより見えるシステムに携わりたい」という思いから、2014年にリクルートに入社。
入社後は大規模プロジェクトを専任で推進する組織に属し、そこからロイヤリティマーケティング社に出向。ポイント基幹システムのEOSL案件に参加するなど、社内で複数のポジションを経験したうえで、2019年より、開発ディレクション組織に異動。現在の業務内容とそのやりがいについて密着取材で迫ります。
――ディレクション組織に移ってからは、どのような仕事をしているのでしょうか?
『ゼクシィ』のフロントシステム、バックエンドシステムに関わる保守エンハンス案件、プロジェクト案件のディレクションの担当で、結婚式を挙げたいカップルが目的の情報にたどりつきやすいようなユーザビリティの磨き込みや、新商品を作るための大規模開発を行っています。
商品企画部門(プロダクトマネジャー)と案件推進の優先順位を議論したり、QCDSやビジネス影響などの案件特性に応じて技術やマネジメントの手法を判断したり、案件推進に課題が発生すればビジネス調整を行ったり、プログラムマネジメントが中心です。特に、商品企画部門と一体となって進める『ゼクシィ』の商品開発は事業会社エンジニアならではの面白みを感じています。
具体的には、ゼクシィに掲載してくださる結婚式会場、ジュエリーショップ、エステ、アイテムショップ…といった様々な業態のクライアント様に効果をお返しすべく、商品企画部門は懸命に新商品を企画しています。その企画を商品として形にする のが我々のミッションであり、 高品質・短納期・低コストでに実装できるように努めています。
SIerにいたときは、どうしてもある程度決まった要件のもと開発することが多かったのですが、リクルートでは要件定義よりも前のフェーズから入り込むことが出来ています。
「ビジネス検討」と言って、決まった戦略に対してビジネス効果を「見立てる」フェーズと、実現方法の骨子を決める「仕立てる」フェーズで案件の解像度を上げますが、このフェーズに染み出してプロジェクトを作り上げていくビジネスアーキテクトのような役割を持つことも多いんです。
その中で商品企画・UX・営業といった各部門と意見を交わしながら、「これでいく」という案件の方向性が決まる瞬間、みんなが同じ方向を向ける瞬間にやりがいを感じています。開発工程を担うことだけが役割ではないというのが、リクルートに来て一番変わったところですね。
開発だけでなく事業戦略にも染み出し、将来の『ゼクシイ』を作っていく
――特に印象に残っているプロジェクトがあれば教えてください。
ゼクシィ本誌を制作するために使用している、出版向けソフトウェアシステムのEOSL対応プロジェクトが特に思い出に残っています。
ソフトウェアには独自のカスタマイズがふんだんに施されており、単純にソフトウェアを最新バージョンに上げればよいというわけではない状態でした。しかしながら、ペーパーレス化が進む中でゼクシィの制作に必要な要件を満たす次期ソフトウェアの候補は限られ、持続可能性を優先するならば、リスキーな技術実装も選択できない。現状のシステムと同等の機能を備えたシステムの再構築を想定していましたが、上記の理由でプロジェクトの難易度は極めて高い。
そこで、時代の流れも汲んでプロジェクトの在り方の見直し、ひいてはゼクシィ本誌の将来も見据えたビジネス計画を進め、システムを再検討するということになりました。私はビジネス計画の後、そのシステムをどうすべきなのか、という点をあらためて考え直すフェーズから参画することになったのですが、もともとこの案件を進めていた大規模プロジェクト推進部隊と商品企画の橋渡し役を担いながら、改めて経営陣と共に中長期戦略を作り直していくことにしました。
その時心がけたのは、プロダクトやプロジェクトの方針がトップダウンで降りてくるのを待つのではなく、「未来のゼクシィはこう作るべきだ」と業務と次期システムの構想を経営陣に提案することでした。いちメンバーが経営陣に自分の意志をぶつけられる。だからこそどんどん当事者意識が湧いて、自分でサービスを作っている、動かしている感じが得られていると思っています。
――そのようなフェーズから入り、案件を進めていくのは、難易度が高かったのではなかったですか?
もちろん難しかったし大変だったのですが、それ以上にやりがいを感じていました。 サービスの将来を左右する経験はなかなかないと思っていて。自分がどうにかしないとという使命感があるんです。
そのような使命感を持ったうえで、当時の上司から言われた「自分のスタンスを明確にしろ!」というアドバイスを大事にしています。「誰も正解は持ち合わせていないような膠着した議論は、まず自分が考え抜いた最適解をぶつけてみる。そうすれば必ず議論は動くから」という、サービスを作っていく上での姿勢を叩き込まれました。
そのスタンスを意識してから、改めて開発ディレクターの仕事は、ただ開発をすればよいのではなく「事業の目標達成をIT視点で牽引すること」だと心から気づくことが出来たのです。そこから我々は開発だけではなく、事業開発や事業戦略までも担っているんだという姿勢で仕事をしています。
もっと言うと、リクルートの開発ディレクターは、一人一人がCIO(Chief Information Officer)のように考え、振る舞うことが求められていると思っています。開発だけでなく、ビジネスアーキテクトも担うといいますか。開発のボトムからどんどん戦略に染み出すことができる環境であり、自分の考え方や動き方次第でそれが本当に実現できる。そのような中で、『ゼクシィ』という業界において大きな売り上げや影響があるサービスの戦略に伴走できることは、自分のキャリアの糧にもなると思っています。
※妙中が毎日持ち歩くノート。ビジネスアイデアがたくさん詰まっている
――なるほど。ちなみに今後のキャリアはどのようなものを思い描いているのでしょうか?
自分が社外でどこまで通用するのか力試しもしながら、リクルートでは世の中への影響度の大きいサービスに関わりさらにスキルを上げる。いいとこ取りですね(笑)
でも、リクルートに入る前は、全然そんなことまで考えられてなくて。漠然とカスタマーインターフェースを持ったシステム開発をしたい、最先端のITに触れたい、位でした。むしろ会社もサービスも大きいので、社内でキャリアを積んだり裁量を与えてもらったりするには時間がかかるんじゃないかと思っていたんです。でも、自分の意思次第で、いきなり役員陣に意見するなど、チャンスがたくさんあるので、あの時飛び込んで良かったと思っています。
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