Design Matters Tokyo 24 参加レポート
リクルート プロダクトデザイン室
こんにちは。リクルートの『Airワーク 採用管理』でプロダクトマネージャーをしている加藤日菜子です。
普段は、『Airワーク 採用管理』での求人入稿体験が少しでもスムーズになるように、日々改善を行なっています。
先日、グローバルに活躍する企業や団体ではどのようなデザインが行われているのか知りたいと思い、「Design Matters Tokyo 24」に参加しました。今回はその内容やカンファレンスに参加した感想をレポートにまとめました。このレポートを通して、身近にあるプロダクトのUXやデザインに関心を持っていただけたら嬉しいです。
Design Matters Tokyo 24とは
Design Matters Tokyo 24は、デザインに関するカンファレンス・イベントの一つです。Design Mattersでは毎年、デザイン業界の3つの重要なトピックをテーマとして扱っています。今年のテーマは、「クラフトマンシップの逆襲」、「デザインの次なる地平」、「社会のデザイン」でした。
3つのテーマのうち、私は「社会のデザイン」について興味を持ちました。デザイナーではない立場からどのようにデザインに関わることができるのか、変わりゆく社会の中で顧客とサービスをどのようにしていったら良いのか、日々考えることがあります。
今回のカンファレンスで印象的だったのは、デザインのプロセスやステークホルダーとのコミュニケーション、社会とデザインの関係性や、自身のキャリアデザインなど、様々な視点から見たデザインについて登壇者がプレゼンテーションしていたこと。
2日に渡る開催期間中は、ネットワーキングタイムという参加者同士の交流の時間がセッションの合間に設けられており、参加者がデザインについて主体的に考える時間も用意されていました。海外からの参加者がほとんどで、UXデザイナー・プロダクトマネージャーいう仕事がグローバルな視点でどのような仕事なのかを考えるきっかけになりました。
より良い世界のためのライティング
カンファレンスでは、UXライティングに関するセッションがありました。(よりよい世界のためのよりよいライティング)
このセッションでは、UXライティングが私たちの行動に与える影響や、ブランドに適した言葉の選択について、具体的な例を交えて紹介されました。
例えば、皆さんはサブスクリプションサービスを契約するときに「購読する」というボタンについて考えたことはありますか? セッションでは、join / subscribe / become a member の選択肢がユーザーに与える印象にどのように影響するかが示されていました。「参加する」、「購読する」、「メンバーになる」では、プレミアムな印象の度合いが異なります。言葉の力は大きいですね。
サービスの改善に取り組む過程には、ボタン名や項目名の表記の検討も含まれます。検討時に、サービスのイメージを大切にする視点が重要だと感じました。
また、ユーザーを尊重するという観点から、入力フォームにおける気配りも紹介されていました。例えば、氏名を入力する際、誤りを示す校閲線が入ったら、自分の名前が間違っているように見え、ユーザーに不快な印象を与えてしまいます。正しい情報を入力してもらうために、ユーザーを尊重したコミュニケーションが欠かせないと思いました。
さまざまなサービスのテキストを見ることで、そのサービスの世界観が感じられることがあります。
はたらく日本人を支えるプロセスのデザイン
このセッションで紹介されたのは、業務システムのデザインや導入プロセスについてです。(はたらく日本人を支えるプロセスのデザイン)
ユニクロを展開するファーストリテイリングの業務システムの事例では、現場を訪れ、システム以外の環境にも考慮したコミュニケーションの設計が行われました。
新しいアプリケーションを導入しても、ユーザー(このケースではスタッフ)が新しい業務フローに適応するには時間がかかります。そのため、現場の観察を通じて、「事前にリリースを告知する」などの改善策が重要であることが示されました。アプリケーションの外側にあるプロセスの改善も重要視されています。
アプリケーションの改善点を特定する際に、現場の方にプロトタイプを試してもらうことは、通常業務と並行するため負担が大きくなります。この事例では、マニュアルを読み込み、関係者とのインタビューを通じて、業務理解を深めていきました。業務理解を事前に深めブラッシュアップを重ねたうえで、プロトタイプテストに臨んだそうです。
このような取り組みは、リクルートのプロダクトデザイン室でも実施されています。ユーザーの環境を理解するために、現場を体験することの重要性を改めて認識しました。
2つ目は行政サービスのデジタルソリューションを提供するGrafferでの事例で、Government techにおけるデジタルトランスフォーメンションのアプローチが紹介されました。公務員の業務を実際に体験することは難しいので、職場を訪れたり、公務員が業務を勉強するテキストを読んだりすることで知見を深めたそうです。
市役所の窓口内部を撮影するのはルール上難しいため、リサーチをする際にスケッチをしたそうです。セッションでは、実際の業務の様子をスケッチしたものが紹介されていました。机の上には何があって、どのような頻度で電話がかかってくるのかなど、細かく観察をしたとのことでした。
興味深かったのは、「市役所のスタッフも市民の1人」という視点です。サービス導入後に市民からのフィードバックを市役所スタッフに提供する試みです。良いフィードバックが来れば、スタッフの方も嬉しくなり、モチベーションにつながるとプレゼンターの佐野さんが紹介されていました。
ユーザーの環境や文化を理解することで、本当に必要なサービスや課題解決を行えると学べた事例でした。
終わりに
Desgin Matters Tokyo 24を通して、国内外問わず多様なデザインの事例に触れ、グローバルに活躍しているUXデザイナーの方と交流する機会が得られたのは、刺激になりました。
私自身はデザイナーではなく、サービスの改善提案や企画をする業務に従事しています。このカンファレンスをきっかけに、デザイナーではない立場から、担当するサービスを通してデザインについてより深く考えていければと思います。
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