世界最大級のAWSエンジニアたちの祭典「AWS re:Invent 2023」に参加してきました。

はじめましての方ははじめまして、そうでない方はお久しぶりです。『Airペイ』のプロダクトマネージャーを担当しています、小野寺です。

さて早速ですが、みなさんはAmazonが毎年開催しているAWSのカンファレンスイベント「re:Invent」をご存知でしょうか?
もうだいぶ時間がたってしまいましたが、2023年の11月末から12月頭にかけて開催された「re:Invent 2023」に参加してきましたので、半分自分の備忘も兼ねてnoteを書いてみることにしました。

re:Inventとは

例年11月〜12月ごろにラスベガスで開催されるre:Inventは、AWS(Amazon Web Service)の新製品発表や事例紹介、ワークショップといったさまざまなコンテンツが目白押しで5日間にわたって実施される、まさにその年のAWSの集大成たるイベントです。

正直日本では考えられないほど、物理的にも内容的にも大きすぎるスケールの本イベント。ただでさえだだっ広いラスベガスの街で7つの巨大なホテルの会議室を使い、各種セッションが実施されました。

その広さたるや、それぞれのホテル間が歩いて移動できない距離なので、re:Invent専用にシャトルバスが運行されているほど。その1つ1つのホテルでさえ、入り口から1 km以上歩かないと目的の会議室に辿り着かないこともあるくらい、と言えばスケールの大きさが伝わるでしょうか。

また、参加する方の所属企業や地域のバリエーションも非常に国際色豊か。もちろんセッションはすべて英語で実施されます(一部例外もありますが)。実は海外に行くのが初だった私にとって、本当に良い刺激になった場でした。

建物のひとつひとつが笑っちゃうほどのスケールのデカさ


なぜプロデザがre:Inventに参加するのか

プロダクトデザイン室には、いわゆるプロダクトマネージャーやデザイナーのような職種のメンバーが在籍しており、エンジニア専業のメンバーはほぼ在籍していません。

それでは、なぜ私たちがre:Inventに参加したのか?
それは、私含む同行したメンバー3名が、プロダクトデザインという枠組みを超えてエンジニアのような活動をしているチームに所属しており、その中でAWSをよく利用しているからです。

私が所属しているチーム(SaaS領域プロダクトデザインユニット デザインエンジニアリングチーム)では、組織横断の業務効率化ツールや社内プロダクトを開発し、営業組織やヘルプデスク等へ展開しています。

我々プロデザは、デザインや開発だけに留まらず、クライアント・カスタマーとのコミュニケーションやそれに付随する社内業務も含めた、プロダクトに関連する全方位の業務を推進しています。我々ならではのその強みを活かして、社内でも「Air ビジネスツールズ」のビジョンである「商うを、自由に。」を実現するべく、日々開発等に取り組んでいるのです。

デザインエンジニアリングチームの開発の中でも、AWSは日々取り入れられています。「AWS Lambda」や「Amazon S3」「Amazon EC2」といった基本的なサービスをはじめ、いくつかのAWSサービスをすでに導入・稼働させています。

こういった背景もあり、より深いAWSの知識や活用方法を身につけるべく、ここ数年は社内の研修制度を利用してre:Inventへ参加しています。参加費用だけで相当な額の参加費用がかかるカンファレンスなのですが、個人の成長のためならばと費用負担してくれるこの制度は本当にありがたいです……。

個人的今年のトピックスまとめ

やはりと言うべきか、今回は生成系AI一色のre:Inventだったように感じます。基調講演(Key Note)で発表された、生成系AIでチャットアシスタントを簡単に作成できる「Amazon Q」をはじめ、AI/ML (Machine Learning) 関連のローンチ・講演・ワークショップに全米が大注目でした。

私も実際にKey Noteへ参加しましたが、やはり他に発表されたサービスと比較すると、AI関連のサービスが発表された瞬間にはかなりの盛り上がりを見せていました。

その後実施された生成系AI関連のサービス「Amazon Q」やAI基盤開発用のサービス「Amazon Bedrock」関連の講演・ワークショップは、席の予約が開始されてからすぐに満員御礼になってしまうほど。
キャンセル待ちで長蛇の列となり、入れるかどうか分からない中1時間以上待っているような参加者もたくさんいました。

「Amazon Q」のワークショップの入場を待つ長蛇の列

私も「Amazon Q」のワークショップに参加してみたのですが、実際に触ってみるとKey Noteでの発表の通り、かなり簡単に精度の高いチャットボットを作成できることがわかり、 少なからず衝撃を受けました。

実際にAmazonQで作成してみたチャットボット。このような画面が専門知識なしに、ものの30分くらいで出来上がってしまう(ただし日本語未対応)

また、生成系AIを利用しているとありがちなハルシネーション(※)も起きにくいような作りになっており、あらかじめ学習させたデータセットにない事柄は「分からない」と回答してくれる点や、学習させたデータが外部に漏れないことを保証している点など、かなりビジネス利用に適したサービスであることが伺えます。

今後、例えばチャットボットのようなものを開発したり、社内の業務を効率化させるためのツールを開発したりするのに向いているサービスだと感じました。(まだ日本語対応されていないので、それを待つフェーズではありますが……)

※ハルシネーション:生成系AIが、事実とは異なるもっともらしい情報を生成してしまう現象のこと

また、上述したデザインエンジニアリングTでの業務に関連するもの以外にも、私が『Airペイ』という決済サービスのプロダクトマネージャーを担当している背景もあって、個人的に気になったのが「Amazon One」というサービスです。

これは手のひらをかざすだけで個人を特定・認証し、あらかじめ紐づけられているクレジットカード決済やドアの開錠等ができるというもの。その他、例えばお酒を出すお店での年齢確認目的等にも使えると現地では説明されていました。

Amazon Oneの実機(写真右)。まだ残念ながら日本では利用できないとのこと

実際に「Amazon One」の現地担当者との簡単な意見交換や実機の体験をさせてもらったのですが、思った以上の精度でその完成度に驚愕。会場に備え付けてあったドアの開け閉めや、セルフオーダー端末との連携を含む注文〜決済までの流れなど、日常のさまざまなシーンに最先端の体験を与えられるプロダクトだと感じました。

また、ラスベガスの空港ではすでにコンビニのような小さい売店に導入されており、その実証実験まで行き着くスピード感にもう一度驚くことになりました。

おわりに

以上、簡単にでしたが「re:Invent 2023」のレポートでした。

なかなか普段の業務では最先端の技術や海外の動向を追う機会を得るのが難しいなか、こうして年に1回実際に見て触れて体験できる機会をもらえるのはとても素敵なことではないでしょうか。

このような貴重な機会を与えてくれた弊社プロダクトデザイン室に、この場を借りてお礼を言いたいと思います。

これをお読みいただいている皆さんも、機会があればぜひre:Inventに参加してみてくださいね!