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こんにちは!
2026年6月、サンフランシスコで行われた「Config 2026」に、今年もデザインマネジメントユニットから7名が参加しました。
デザインマネジメントユニットはリクルートのデザインを統括する社内横断組織です。
多様なサービスを担当するメンバーが現地で得た学び、考えたことをシェアします。
組織の詳細が気になる方はぜひこちらの記事もご覧ください。

Config会場やサンフランシスコの様子
Configは今年で10年目。会場となったMoscone Centerは、1万人規模に拡大したConfigの熱気で溢れていました。世界中からデザイナーやクリエイター、プロダクトに関わるさまざまな職種の人々が一堂に会する場所ということもあり、会場に足を踏み入れた瞬間からワクワクした気持ちを抑えられませんでした。
Config会場のMoscone Centerの様子
会期中のサンフランシスコの街では、WaymoやZooxの自動運転車が走る様子など、現地ならではの空気を感じることができました。また、現地を訪れる前から、日本人参加者のコミュニティも用意されていたりと、英語が苦手なメンバーでも現地で交流を楽しむことができました。年々日本からの参加者も増えているようです。
Config2025からの変化点
2025年のConfigでは『Figma Make』『Figma Sites』『Figma Draw』『Figma Buzz』などがリリースされました。昨年が新しいツールを次々と生み出す拡げる年という印象だったとすれば、2026年はFigmaのキャンバスにAIを"織り込む"年だったように思います。
『Weave tools』『Code layers』『Figma AI agent』の拡張
この変化は、基調講演オープニングでのFigma CEO・Dylan Fieldの言葉にも重なります。「AIは床を下げたが、天井を上げていない。天井を上げるのはあなたたちだ」と語りました。2026年のFigmaはその"天井"と向き合っています。AIをキャンバスに織り込むことで、デザイナーとAIの距離を縮め、自身の創造性を拡張するフェーズへ軸足を移していると感じました。
セッションを受けて ーこれからのAI時代にデザイナーに求められること
Config 2026で参加したセッションの中でも、これからのAI時代にデザイナーに求められることを特に考えさせられた2つのセッションを紹介します。
The canvas is not dead ーAIと人間の役割分担
「The canvas is not dead」というセッションでは、AI活用に対するマインドセットが語られていました。ここでの「canvas」は、実際にデザイナーが手を動かして試行錯誤する場としてのメタファーで使われています。
Dropbox社 Catt Small氏の見解として、背景のコンテキストが複雑な状況でAIに頼りすぎると目的に沿わないアウトプットになりやすい一方、単純な発散(ライティングの幅出しやパターン出力など)はAIに任せて問題ないという所感でした。そのうえで、AIに単純作業を委ねた結果として人間のデザイナーが担うべき役割は、複雑な課題への制約の理解、その上で意思決定に責任を持つこと、それらを推進する人対人のコミュニケーション、だと語られています。
AI活用でどんどん効率化していくのが基本姿勢、という一方で、人間が思考するプロセスや「場」自体を放棄するべきではない、というスタンスに、自分たちの現場でもあてはめて意識していきたいと思いました。(実際のセッションはこちらからご確認いただけます。)
リクルートでもデザインの検証として、パターン出しはAIに任せつつ、取捨選択や複雑なコンテキストの整理はキャンバス上に残す、という進め方を意識しています。
Dense by design ー情報密度の再定義
「Dense by design」Matthew Ström-Awn氏(mu.design)によるセッションは、「なぜブルームバーグ端末は今も使われ続けるのか?」という問いから始まります。視覚的な密度、情報の密度、意味の密度、そして時間の密度——4つの側面から、密度とは何なのかを探索していく内容でした。
ブルームバーグ端末とは黒い画面に敷き詰められた膨大な情報が特徴的な、金融プロフェッショナル向けの総合情報端末です。必要な情報に到達する速度・量の最大化を目指したブルームバーグ端末、そしてGoogleとYahoo!の体験の対比を通じて、「常に引き算が正しいとは限らない。ユーザーが求める『時間×空間』に対して返す価値を最大化することが大切」と語られていました。
AIが生成するUIは情報が平坦化しがちで、不要に情報が削ぎ落とされる危険性もある時代だからこそ、密度(=ユーザーに情報を渡す効率)のバランスを見極める判断が重要です。AIが広く活用される時代にデザイナーの「目」が果たす役割はより重要になると再認識しました。
(実際のセッションはこちらからご確認いただけます。)
ブルームバーグ端末を発端に、「密度とは?」という問いに向き合う旅
Code layersの登場
もう一つ印象に残ったのが、「Designing in code」というセッションで紹介された『Code Layers』です。GitHubリポジトリをFigmaにCloneし、編集・Pushまで行えるこの機能は、「コードでデザインする」という未来を体現しています。
この変化が素晴らしいのは、デザイナーとエンジニアが同じコードを介して対話できる場ができるという点です。
セッションでも「フロントエンドの実装はデザインから遠く、Figma→実装の"伝言ゲーム"と往復が常態化しやすい」という課題が語られており、これはリクルートの現場でも実感のある悩みだと感じました。対話の中で、AIの出力を鵜呑みにせず、デザイナーとしての主体性をどう保つかという課題と向き合う必要はあるものの、デザインと実装の可能性を大きく広げる機能だと感じました。
セッションのデモでは実際に動く様子が示されていました。発表時点ではベータ版の提供も始まっておらず、具体的な仕様はまだ未知数ですが、それでも来るべき未来について今から準備と議論が必要な内容だと感じています。
(実際のセッションはこちらからご確認いただけます。)
持ち帰ってリクルートで行ったこと
現地で得た学びは、持ち帰って社内へ共有しました。
ここまでに記載した内容を資料にまとめ、リクルートの領域を横断したデザインナレッジ共有会にて新機能を紹介しています。
『Figma Motion』や『Generative plugins』を、『Figma AI agent』を介して使用する様子をプレゼンに取り入れ、社内でデモを行いました。
共有会の後には、「噛み砕いて実例に基づいて共有してもらえたのが有意義だった」「人間ができることとAI分業(特に編集/選択/責任/泥臭さのあたり)でうまく協業していきたいと思う発表だった」といった声が寄せられました。実際に新機能でプロトタイプを自分の手元で作成してみたいという意見や、組織全体で、FigmaのAI agentを活用する頻度も高まっているなど、着実にFigmaとAI、そしてデザイナーの距離は縮まってきていると感じました。
現地で受け取った一次情報を、自分たちの言葉と事例に翻訳して広く共有することに、参加して持ち帰る意味があったと感じています。
おわりに
Config 2026を通して、AIはもはや「特別なツール」ではなく、デザイナーの日常に"織り込まれていく"存在になってきていることを肌で感じました。
今回のアップデートにより様々なAI機能がデザインプロセスに組み込まれ、『Figma Motion』や『Shaders』を活用することで、デザイナーが具現化できる表現の選択肢はさらに広がっていくと感じました。同時に、密度をどう判断するか、キャンバス上の思考をどこまでAIに委ねるかといった役割分担の視点も得られ、『Code layers』やGitHub連携によって開発との距離も一段と近くなっています。
これはデザイナーの活動範囲が広がることでもありますが、それ以上に「デザイナー自身の意思」がより重要になっていく世界だと感じました。自分の思い通りの世界を描ける環境が整っていく中で、一貫して自分が何を描きたいのかを、AIを通じて開発まで貫いていく——そうした考えや気持ちの持ち方こそ、これからのデザイナーに求められていく気がしています。
リクルートのデザインマネジメントユニットでも、今回得た学びを社内に広げながら、AIとどう向き合っていくかを手を動かして検証し続けていきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
リクルートのデザイナー組織にご興味を持っていただけた方は、こちらのサイトからご確認いただけます。ぜひご一読ください。