Watson(ワトソン)を使って稼ぐIBMの事業部が始動
ATL調査隊
Watson(ワトソン)を使って稼ぐIBMの事業部が始動
ニューヨークにおかれた新しいWatson Business Groupは認識コンピューティング・システムとサービスを事業に提供する。Watson内で、二つの新しいサービスを展開する新事業部を設定し、IBMは傘下Watsonブランドの認識コンピューティング技術の事業化を続けている。
IBMの新しい部署、Watson Business Group(ワトソンビジネスグループ)は事業者向けにクラウドベースでの認識アプリケーションの開発、運営を担う。IBMは同グループに、10億ドルをつぎ込み、そのうちの、1億ドルはWatson Developerと名付けられたクラウドを起動させるアプリケーション構築のための新会社に充てられる。IBM Software Solution Group、上席副社長であったマイケル・D・ローディン氏が率いるWatson Business Groupは、ニューヨークの「シリコン・アレー」と呼ばれるマンハッタンのAstor Placeにその本部を置き、IBMから招集した2000人あまりの専門家集団からなる。
そもそも、WatsonはIBMがゲーム番組の「Jeopardy(ジェオパディ)」で人間相手に、幅広い分野からの様々な雑学問題に答えて勝利する、という目的で発足された研究プロジェクトで、Watsonは、様々なフォーマット上の情報素材を使い、試行錯誤の上で、最善の回答の組み立て方を熟考することで実質的な回答を磨き上げ、特定の質問に答えることができるようにプログラムされている。このようなアプローチを、一定の環境設定を学ぶために生物学的な脳の働きを模倣するコンピューター機能が関わるため、認識コンピューティングと呼ばれる。
企業が難解な問題を処理するために利用できるクラウドサービスとして、Watsonは設定され、医師の病状診断の時や、小売業における効率的な顧客対応のための仮想アシスタントとして役立ち、メディア分析会社のNielsenやRoyal Bank of CanadaがこのWatsonサービスを利用している。
昨年、他の事業や企業家たちが、各々独自の認識コンピューティングを担うアプリケーションを構築するための場として、Watson Ecosystemが設立された。
Watson Groupの本社では、クライアントたちが認識コンピューティング・システムを施行したり学んだりできる研究施設が提供されている。また、認識コンピューティングについての研修会やセミナーも執り行なわれている。
この事業部は4つのグループからなり、その一つがIBM Watson Innovation groupと呼ばれ、中枢となる研究や開発が集められている。
IBM Watson Transformationは事業開発に的を絞り、認識コンピューティングがどのような市場に適しているかを探索している。IBM Watson ImplementationはIBMのクライアントたちのために、Watsonのシステムやサービスを展開することを担うチームである。そして、IBM Watson Engagementは販売とマーケティングを取り扱うチームである。
それらの新しい事業部に加え、IBMはWatsonに関係する数々の新サービスも公にした。
その一つのIBM Watson Analytics Advisorは、利用者から寄せられる、自然言語に由来する微妙なニュアンスの質問に対して、クラウド上に貯蔵された膨大なデータから回答とおぼしきものの検索を提供する。
引用元:IBM launches business unit to make Watson a moneymaker – ITWORLD