新卒IT担当、AIとの出会いを振り返る

  

はじめに

はじめまして、ICT統括室の永留です。

私は本が大好きです!小さい頃から本を通した出会いに魅了され続けています。言葉を通して出会うべき人やものとの出会いを届けたいと就職活動を進める中、『ゼクシィ』や『じゃらん』を発行していたリクルートに興味を持つようになりました。出会いの機会を提供したり、適切な情報を届けたりしたいという思いを胸に、今年の春に入社。3ヶ月の新人研修を経て、社内ITインフラの保守・運用を担当しています。


私はまだICT統括室のメンバーとしても社会人としても未熟者ですが、ひとつ確信していることがあります。それは"生成AIを主体的に活用できるようになったからこそ、こんなにも早く成長できた"ということです。しかし、その早い成長はよい側面ばかりではありませんでした。今回のブログでは生成AIと新人の関係について身をもって考えさせられた半年についてお話しします。

いつものブログと異なり、技術的な内容はほとんど出てきません。だからこそ生成AIをあまり利用したことがない方にもぜひ読んでいただければと思います!


本編

「ファイルのアップロード方法がわかりません!」
同期に手取り足取り教えてもらいながら何とか資料を提出する…。ITスキルゼロでWEBアプリ開発研修に臨む私を救ってくれたのは、生成AIでした。「こんな画面を作りたい!」と開発言語や画面イメージを入力するだけで魔法のようにコードが出力され、簡単な機能なら一人で実装することができるように。この研修期間で生成AIの利用が習慣化しました。

無事に(?)研修を終えた7月。私はTeamsやOutlookといったMicrosoft365の運用を行う部署に配属され、社内ITに関する問い合わせ対応を行うことになりました。突然のトラブルや操作方法が分からないといった相談は大いに共感できるものばかり。私自身もまた使ったことのないツールや知らない機能も多く、質問内容がわからないこともあります。そこで生成AIに原因や手順を教えてもらい、検証する。そして回答を作成し、チーム内でレビューしてもらう。(少しでも早く自立したいという思いに駆られ、「困ったらいつでも聞いてくださいね」という先輩に恵まれながら、聞くことが疎かになりつつありました。)そんな「分からないもののとりあえずできる」状況を成長したと錯覚していたように思います。

ある時、会議室検索システムについての問い合わせが来ました。新規の会議室を登録する際に、重複したデータを入力してしまったらどのような挙動になるかを知りたいとのこと。いつものように生成AIに質問すると…
ーーー
重複データがあった場合の影響
・1件目の処理のみ成功する
・2件目以降の処理は失敗と出力されるものの影響はない
・他のデータの処理も問題なく続く
ーーー
というような回答が出力されました。1件目の時点で処理は成功、かつ全体の処理は停止しないことから挙動に問題はないと判断し、チーム内で確認してもらうことに。

「システム上は問題ないけど、2回目の実行は失敗として通知されるから、ユーザーはエラー対応をすることになる。ユーザーの運用面では混乱するのでは?」

先輩からのアドバイスをもらった時、私は問い合わせの背景や普段どのようにシステムが運用されているかを全く考慮できていないばかりか、知ろうとさえしていなかったことに愕然としました。物事の裏にある人の思いを知ることが、生成AIを利用する中でおざなりになってしまっていたのです。この経験は私に2つのことを教えてくれました。

1.自他の境界が曖昧になっていたこと

生成AIが導き出した答えと、自分の解釈や考えを明確に線引きできるでしょうか。生成AIの利用が習慣化し、背景などがわからないまま、とりあえず業務ができる状態に陥っていた私もまた、その境界が曖昧になっていたと思います。このままだと、いつしか、生成AIの答えをそのまま自分の考えであるかのように認識することになりかねません。論文で引用を明示するように、生成AIの回答と自分の考えを区別する意識を持つこと。「GeminiやCopilotがこういっていたから。」で終わらせず、その結果、「私はこう考えた。」とその主語を私に変えることのできる力を身につけたいです。


2.生成AIと大量消費
生成AIとのやりとりは大量生産/消費の構造と類似しているのではないでしょうか。人に聞くよりもハードルが格段に低く、自分の求める答えが出力されるまで何度も質問する。この大量生産は、その回答の裏にある誰かの経験や努力を過剰に消費していると感じています。もし、生成AIを活用する社会が大量生産/消費の側面を持つのであれば、廃棄という消費社会の課題から学ぶことは少なくないはずです。私は、誤回答という新たな廃棄物の処理、過剰に消費されてしまった人の経験や知識をそのまま廃棄してしまうのではなく、活かすことはできないかと考えるようになりました。そこで今、生成AIの誤った出力をリソースにして新たな価値創造ができないか、模索しているところです。いつかの成果をご期待ください!

 

最後に

もちろん生成AIは完璧ではありませんが、知識も経験も浅い今の私にとって最強の相棒となりました。だからこそ生成AIに属人化したスキル・情報・視点を組み合わせれば、より早い成長が可能となるはずです。核となるのは、生成AIの回答であってもその裏にある人の思いを知ること。それこそが『成長』へとつながるのかもしれません。

そして私の『成長』の原動力は、この人たちが描く世界のために働きたいと思えるような同期や先輩と出会えたことです。今度は私がこうした出会いを創出する時間やきっかけづくりに少しでも貢献したい。そのために社内ITインフラをよりよくし、業務効率を高めていく…。生成AIを利用しながら『成長』し続けていきます!

 

 

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