iOSDC Japan 2025 に登壇しました!

はじめに

今年もiOSエンジニアにとっての一大イベント、「iOSDC Japan 2025」が熱狂のうちに幕を閉じました!
リクルートは、開発者コミュニティへの貢献と最新の知見習得のため、今年もゴールドスポンサーとして協賛するとともに、多くのiOSエンジニアが現地に参加しました。

今年のiOSDCは記念すべき10回目の開催であり、会場も早稲田大学から有明セントラルタワーホール&カンファレンスに移り、これまで以上に広い会場も終始活発な議論と熱気に包まれていました。

本ブログでは、私が登壇したセッションの内容を中心にご紹介します。

 

登壇内容のご紹介

今回は、「『ホットペッパービューティー』のiOSアプリをUIKitからSwiftUIへ段階的に移行するためにやったこと」と題してセッションに登壇しました。

資料は こちら に公開しておりますので、是非ご覧ください。


本セッションは、UIKitからSwiftUIへの段階的移行がテーマです。その際に直面した課題と方針について紹介しました。具体的には、モノリシックな構成だったアプリをマルチモジュール化した話や、デザインとコードベースとの間の構造上の乖離を解消しデザインガイドラインを整備している話、また、Xcode Previewsを活用してスナップショットテストを作成し、UIカタログアプリを配布するなど周辺の開発プロセスへの取り組みについても、お話ししました。

 

セッション内容の深掘り①: 開発プロセスへのアプローチ

(参照:https://speakerdeck.com/recruitengineers/iosdcjapan2025_kokubo?slide=3

 

SwiftUIへの移行は、単にプレゼンテーション層を書き換えて完了するものではありません。長期的な目線で、プロダクトのため、チームのためになることは積極的に取り組んでいます。

例えば、インターフェースの改善活動に取り組みやすい環境を作るためにデザイナーさんと密に連携しながら改めてデザインガイドラインを整備したり、UI開発の際に関心のあるスコープに閉じてテストをするためにコンポーネント単位でスナップショットテストを実施できる仕組みを整えたりしました。

SwiftUIへの移行の最終的な目的である開発生産性の向上を実現するためには、技術的な課題へのアプローチだけでなく、デザイナーチームとの合意形成や周辺の開発プロセスの改善なども必要になります。

 

セッション内容の深掘り②: 技術的改善活動の考え方

(参照:https://speakerdeck.com/recruitengineers/iosdcjapan2025_kokubo?slide=8

 

技術的改善とは開発スピードを向上させるための投資であると考えており、技術的改善の目的を長期的なプロダクト価値の最大化に置いています。

新機能開発だけだとシステムの健全性が損なわれ、一方で、技術的改善だけだとプロダクトは成長しません。

そこで、両者ともに事業価値あるいは事業KPIと紐付けて、健全な状態を目指しています。

その上で、今回のSwiftUIへ移行する目的は、コーディングコストやコード認知コスト削減、それに伴う開発生産性の向上に置いています。

実際、技術的改善は投資であるという考えから、本格移行の前に1つの画面を検証画面としてSwiftUIで実装をしてリリースしています。そして、どのくらいで回収できるのかを事前に悲観的な予測と楽観的な予測を算出して見立てを出しています。

 

登壇を終えてのコメント

発表後に直接感想を伝えてくださる方や、Ask the speakerで質問しに来てくださる方もいて嬉しかったです!また、forteeを通して温かいフィードバックをたくさんいただきました。ありがとうございました!

SwiftUIはWWDC19で発表され、今では広く普及しているUIフレームワークです。登壇にあたり、今のタイミングでSwiftUIへの移行に関心のあるプロダクトチームはどのくらいいるんだろう、あるいは、同じような課題や悩みを持っているプロダクトチームはどのくらいいるんだろうという不安がやはりありました。

フィードバックをいただく中で、似たようなフェーズにいるプロダクトチームの方や、別のフェーズでも開発プロセスへのアプローチやデザイナーさんとの協働・コミュニケーションなど、セッションに参加いただいた皆さんに持ち帰る話題を1つでもお届けできたことが分かり、安堵しています。

 

まとめと今後の展望

iOSDC Japan 2025は、最新の技術トレンドを肌で感じ、日々の業務で抱えている課題への解決策を見つけるための貴重な機会となりました。また、エンジニアの皆様との交流を通じてたくさんの刺激をもらいました。今回の学びを現場に還元し、プロダクトの改善に繋げていきたいと思います。

 

リクルートでは、こうした最新の技術を積極的に取り入れ、ユーザーのより良い体験を追求しています。
他の取り組みについてもご紹介しておりますので、興味をお持ちの方は是非他の記事やテックブログをご覧ください。

 

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