事業課題を捉えた業務理解とITサポートで事業活動の生産性向上を力強く下支え!
佐野 一樹
はじめに
はじめまして。ICT統括室の佐野です。
飲食・美容・旅行領域などの販促領域を中心に、事業活動の生産性を高めるため、クライアント接点を持つコミュニケーションインフラの企画・設計から運用・保守までを担当しています。
今回は、私自身の業務を通して、リクルートICT業務の面白さややりがいを、 少しでも皆さんにお伝えできればと思います!
事業貢献の始まり!配属直後に担当したBPRプロジェクトとは
私が配属された飲食領域のBPRプロジェクト、飲食コールセンター高度化案件では、今後の事業成長を見据え、クライアントへの電話営業、すなわち架電業務の見直しが急務でした。当時、固定電話からクラウドPBX(IP電話)への切り替えが目前に迫っていました。
「測定できないものは、改善できない。」
この経営学者の言葉を引用し、プロジェクトでは、架電業務の実態を数値や指標で可視化することから業務改善が始まると考えました。そこで、固定電話からクラウドPBXへの切り替えを、データに基づく業務改善の第一歩として位置付けたのです。
現場装着の経験から、自分が取り組みたい具体的な方向性が明確になった!
配属直後、電話システムの切り替え作業は対象が電話ということもあり、私自身、正直なところ、特に苦労することなく完了できると考えていました。
しかし、この考えが甘かったと痛感させられる出来事が起こったのです。
切り替え準備のため、事業活動の現場を訪問した際のことです。クラウドPBXを業務オペレーションに組み込むための研修会を開いたのですが、参加したメンバーが固定電話との違いに戸惑う姿を目の当たりにしたのです。
留守番電話の設定、架電ログの確認、顧客管理システム(Salesforce)に残す行動履歴と架電ログの紐づけなど、クラウドPBXへの切り替えによって業務オペレーションは大幅に変わりました。私にとっては些細な変更だと思っていた操作も、現状のオペレーションに慣れた現場のメンバーからすると、大きな変化だったのです。その困惑する様子を見て、システムを現場に定着させることの難しさと、自分と現場との当たり前の違いを痛感しました。
そして、この経験は私にとって大きな転機となりました。単に現場支援につながるシステムを開発するだけでなく、しっかりと現場に定着するまで支援したいという気持ちが強く芽生え、これが自分のやりたいことだと確信するようになったのです。
新クラウドPBX基盤の構築案件で初の大きな事業貢献!
クラウドPBXへの切り替え後、業務改善施策を事業部門と共に推進する中で、システムのランニングコスト削減の要望が浮上しました。そこで、今後の事業成長に対応できる、よりコスト効率の高いPBX基盤の構築案件が始まりました。
具体的にどういうPBX基盤を構築すべきか。
事業部門と議論を重ねる中で、特に重要だと感じたのは、当時の飲食コールセンターの状況と今後の体制でした。
元々、飲食のコールセンターでは、同じオフィス内でオペレータが近い距離で業務を行っていました。しかし、コロナ禍の影響でリモートワークに移行したことで、互いの状況が把握しづらくなり、対応可能なオペレータが分からず、電話が取り次げないケースが増えていました。
また、当時の事業体制は、各クライアントごとに専任オペレータを配置していました。しかし、業務効率化と人員の流動性確保のため、マルチオペレータ体制への移行を検討していることが、話し合いの中で明らかになりました。
現場の実態把握と今後の事業方針の理解を進めた結果、目指すべきPBX基盤の姿、すなわち「リモート環境でも、マルチオペレータ体制でも、クライアントとオペレータを迅速に繋げられるPBX基盤」が明確になったのです。
そして、このプロセスを経て、私は大きな気づきを得ました。事業と相互理解を深めながら進める案件こそが、まさに二人三脚で事業に貢献する仕事のあり方だと実感したのです。
目指すべき姿が明確になり、クラウドPBXの製品選定が完了した後は、開発フェーズに移行しました。特に、事業固有の複雑な要件を実装する際には、多くの困難に直面しました。しかし、SIerとして培ってきたインフラ開発・運用保守の経験を最大限に活かし、事業部門との密な連携と試行錯誤を重ねることで、これらの課題を一つひとつ乗り越えることができたのです。
開発完了後には、現場への導入という重要なタスクが待ち構えていました。以前の現場配属で得た経験を活かして、現場の視点に立って新しいクラウドPBXの使い方を丁寧に説明し、トラブル発生時に迅速に対応できるよう、FAQ窓口も設置するなど、現場が安心して業務オペレーションを移行できる体制を構築し、スムーズな移行を実現できました。
結果として、この案件は無事に完遂しました。システムのランニングコスト削減、インバウンド体制の改善、そしてクライアント体験が向上。クライアントと現場の双方から喜びの声をいただき、定量・定性の両面で明確な成果をあげることができたのです。
振り返ると、この案件での私の取り組みは以下の3点に集約されます。
・課題背景を詳細に分析し、事業活動の本質的な支援につながるソリューションを提案
・提案に留まらず、開発も担当し、現場の細やかなニーズを反映したシステムを実装
・実装したシステムを確実に業務オペレーションに組み込むため、現場の視点にたち、運用装着まで丁寧にサポート
このように、事業に深く寄り添い、上流工程から下流工程まで一貫して対応することで、実りのある成果を上げられる。これは、リクルートICT業務の魅力の一つだと強く感じています。
自分らしい働き方を追求しよう!
実は、これまでの私は、ステークホルダーからの相談に対して、常に期待を上回る成果を出すことを最優先にしていました。
しかし、今回紹介した業務では、事業部門と密に連携し、意見交換を重ねる中で、何が本当に最善かを共に考えるという経験をしました。その結果、ただ期待に応えるだけでなく、事業の成功を共に目指すという、自身の行動指針を大きく変化させることができました。
この経験を通じて、ITスキルや経験を活かし、事業課題を捉えた業務理解からシステムの開発・運用まで一貫して関わることで、利用者の業務改善を身近に感じられる環境が、私にとって非常に合っていると改めて認識しました。
この自己認識を深めた結果、飲食の案件を終えた後は、美容やHR領域にも同様のPBX基盤を横展開、更に現在は住まいやまなび領域とも接点を持ち、架電業務のBPRに加えて、チャットボットやLINEなどのコミュニケーションインフラのBPR案件を、事業と協力して上流工程から推進しています。
このように、様々な事業領域で、事業の成功に貢献できる実感を得られることが、今の私の仕事のやりがいです。もし今回紹介させていただいた働き方に興味をお持ちいただけましたら、ぜひ一度採用サイトをご覧ください。まずはカジュアル面談から、という方も大歓迎です。
また、他にも色々な記事を投稿していきます!
過去の記事もご興味あれば、ぜひ他の記事もあわせてご参照ください。
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