異業界からリクルートの情シスへ転職した話
廣田 江太郎
はじめに
自己紹介
初めまして、ICT統括室の廣田と申します。私は2024年4月にキャリア入社でリクルートへ転職してきました。リクルートへ転職する前はIT業界ではない業界で働いていました。今回はIT業界出身でない私が実際に社内ICTの仕事をやってみて感じたことや、どんな苦労があったかをお伝えできればと思います。
「今IT業界にいないけど、ITに興味ある!」「未経験でもICT統括室で働けるのかな...?」などなど考えている方は是非ご一読の上、参考にしていただければと思います!
これまでの経歴とIT業界を志した理由
私は現在社会人4年目で、新卒から3年間鉄道業界で働いていました。前職の担当は機械設備で、主に工事の施工監理や保全業務を行っており、社内ICTとはかけ離れた仕事をしていました。
鉄道からIT業界に転職...?と思うかもしれません。転職を考えたきっかけは昨今の生成AIの躍進から始まり、IT業界は特に技術進歩が速く面白そうだな...と思ったことです。もともと新しいものが好きでミーハーな私は、毎日のように流れるITの技術進歩のニュースに興味を持ち、「IT業界で日々生まれる新しい技術をどんどん活用していきたい」と思い、気づいたら転職活動を始めていました。
なぜリクルートのICT統括室か
転職活動を進めていく中で、「最新の技術に日々触れることができる、わくわくする仕事がしたい」ということを軸に置きました。コンサルや他の事業会社も受けていましたが、リクルートは新しい技術を取り入れることに積極的なこと、そして、自分が取り組みたいと思ったことに対して意思を反映しやすい印象があったため自分の軸とマッチしていました。
リクルートの中でもICT統括室を選んだのは、社内向けの仕事であれば実際に自分の仕事の成果を肌で感じられると考えたからです。元々インフラ業界で働いていたのも「自分の仕事で自分の生活をより豊かにしたい」と考えていたからです。また、面接の際に、「この部署だとこんな仕事があるよ」と紹介してもらった仕事が面白そうだったことが最終的な決め手になりました。
リクルートICT統括室へ入社!
担当業務と入社時の苦労
無事内定をもらい、晴れてICT統括室で働き始めました。
入社してすぐは以下2つの仕事を行っていました。
- 生成AIの活用
・社内の仕事で現在人が行っているシステム間での作業を生成AIで代替できないか検証する - 満足度アンケートの分析
・社内で集めているICTが提供するサービスに関する満足度アンケートを様々な切り口で分析し改善点を洗い出す
入社して環境や業務内容の違いに戸惑い、右も左もわからないまま進んでいきました。入社後初めて会議に参加した際は、聞いたことない単語であふれており、ほとんど何を言っているかわからない状態でした。そんな中でも自分主導で案件を進めていくことを期待されており、前職からかけ離れた仕事内容を前にどう進めていいか戸惑いがありました。またリモートワーク中心に働いている人が多いということもあり、職場での人間関係の構築も不安になりました。
このままではまずい...!!
「そんな状態でも自分主導で任されてもらった仕事は完遂したい!!」と思い、それぞれの課題に対して以下のように取り組みました。
業務上必要な知識の習得
勉強しないといけないことはたくさんあるけれど、一旦仕事を進める上で必要な知識の習得に最優先で努めました。習得した知識は主に生成AI、BigQuery(BQ)、JavaScriptなどです。これらは仕事の中で学びながら進めていきました。わからないところにぶつかったら調べ、それでもわからなければ先輩・上司にHelpを出す。これをひたすら続けました。
振り返ってみると、未経験ながら仕事を進めることができたのも、フォローが手厚かったためだと感じています。具体的には、毎朝30分程度先輩上司と「よもやま」と呼ばれる打ち合わせを行っていました。
「よもやま」とは事前に議題を設定しなくてもいい、ざっくばらんに色々話そうという趣旨の打ち合わせのことです。立ち話感覚で気軽にさまざまな話ができるような場であるため、肩ひじを張らずに些細な事も相談をすることができました。
この場を定期的に提供されたため、ゆっくりですが着実に仕事を進めることができました。
不足しているIT知識の習得
業務上に大きく関わってこないが知らないといけない知識は少し優先度を落として学習を進めました。この部分もリクルートのリソースを存分に活用しました。
- 社内研修の活用
社内では非エンジニアだった人向けの研修も充実しています。実際の担当業務に直結していなかったWebサイトについての研修にも参加し、Webサイトの原理や実際にWebサイトの作成までを学ぶことができました。 - 動画学習サービスの活用
従業員のためにコンテンツが豊富な動画学習サービスも提供しているため、存分に活用し知識習得に努めています。自発的に学習できる環境が非常に整っていると感じています。
人間関係
私が所属する部署はリモートワークが主流ということもあり、人間関係は希薄になるのかな...という点は少し気にしていました。その点ではリモートワークでも人間関係を構築できるような仕組みがリクルートにはありました。
- Tea time!
以前同じ部署の岩渕さんがICT統括室アドベントカレンダーで紹介されていた、社内のランダムマッチングサービスで自部署だけでないさまざまな部署の人と会話することができます。大きい会社だけに自分の部署の外が見えにくくなってしまいますが、このような仕組みがあることで社内の理解も深めることができたり、新しい人間関係を構築したりすることができました。 - ICT統括室インナーコミュニケーション
こちらも以前同じ部署の村瀬さんがICT統括室アドベントカレンダーで紹介していましたが、毎月対面の座談会などがあります。食事やレクを通して普段仕事で接点のない人と関わる機会を持つことができたため、徐々にコミュニティを広げることができました。 - スタンプラリー
これはICT統括室をはじめいろいろな部署で行われている、入社してすぐの社員が部署内のさまざまな人とまとまった時間話すことができる取り組みです。これによって入社してすぐでもマネージャークラスの人たちと会話する機会があります。このような機会があることで新しく仕事をするとなったときも、「スタンプラリーで話したよね!」といった形で仕事が進めやすくなったと感じました。
異業界での経験って活きてるの?
ここまで苦労といかにそれを乗り越えたかを中心に話してきたので、「異業界から転職するとやはり仕事内容が違うから苦労するんだ...」「異業界の経験って活きないのかな...ゼロからのスタートか...」と思うかもしれません。
しかし、まったくそんなことはなく、前の仕事の経験も活きているからこそ、飲み込みの悪い自分でも今仕事を回せるようになりつつあるのかなと思います。
実際に前職で培って、今の仕事に活きていることもお伝えします。
- 問題解決能力
前職では機械が故障した時の故障対応を行っていました。故障対応で重要になってくるのは、「なるべく早く故障原因を特定する」問題解決能力です。故障に直面した時は過去の故障内容と比較したり、聞いた情報や現地で実機を見て得た情報を基に、「どこに異常の可能性があるか」や「復旧にはどのくらいの時間がかかるか」をなるべく短時間で早期に判断する必要がありました。
「問題はなにか」を見極める能力はプロジェクトを進めていくうえで次に取り組む課題を明確にする場面で活きています。
具体的には、生成AIを活用するプロジェクト内でコードを書いている際、正常に動作しない場合は、コードのどこが原因となっているかを特定する必要があります。そこで、「ここまでは正常に動作しているので、次の部分に問題があるのではないか」と仮説を立て、検証を繰り返して原因を絞り込んで行きます。これは前職で培った「問題を分解して本質を見極める力」が活かせている部分です。 - 認識のずれがない正確なコミュニケーション
前職で工事の施工監理を行っていた時には、工事で不備が生じないよう、施工会社と「安全を守るために認識のずれを防ぐ」コミュニケーションを取る必要がありました。鉄道会社では線路の中での工事も行うことがあるため、認識にズレがあると事故につながってしまいます。そのようなリスクと隣り合わせで作業を行っていたため、施工会社とは厳密にどの範囲で、どの時間、どのような作業を行うかといったことを明確に意思疎通する必要がありました。
前職ではこのようなコミュニケーションをオフラインで行っていたため、実際にモノを見たりなど非言語情報も得られておりスムーズにコミュニケーションを行えていました。リモート環境では非言語情報が得られにくく、初めはコミュニケーションが難しいと感じていました。しかし、このような環境でもプロジェクトを進められているのは、前職で培ったコミュニケーション能力が基盤になっていると思います。
一年弱働いてどうなったの?
実際に一年弱働いてみてそれぞれ以下のような変化がありました。
- 生成AIの活用
・趣味程度で触ったことあるくらいの理解だったが、プロンプトの正しい書き方について学ぶことができ、期待通りの回答を取得できるようになった
・JavaScriptも書いたことがないアプリ作成未経験から、ChatGPTをAPI連携した社内で活用できるアプリを作成できるようになった - 満足度アンケート分析
・Big Queryからデータの抽出や集計方法を学んだ
未経験だからこそ、日々の仕事の中で成長を実感でき、できること・知識がどんどん増えていく感覚にとても達成感があります。
現在はIT知識も深まってきて、今ではより広いITの知識を必要とする、ICT統括室を横断するプロジェクトにも参画し、業務の幅を広げることができていると実感しています。
今後ICT統括室で働く中で成長したいこと
偉そうに「未経験でもこんなに頑張っているぞ!」と書いていますが、まだまだ全然未熟です。自分の中に課題はたくさんあり、その中でも最も感じているものは主体性です。
例えば、知識や経験が不足していることから意見を持てない場面がありました。また、意見を持っていたとしても、発言する際に自信がなく、躊躇してしまうことがありその結果議論の中で自分の考えを述べる機会を逃してしまうことがありました。
主体性を持つことで、このような問題に対処できると考えています。事前に情報収集や準備を行い、「自分ならこうしたい!」「こう変えるんだ!」といった明確な意見を持つことで、議論に積極的に貢献し、チームやプロジェクトへ価値や新たな視点を与えることができます。せっかくリクルートという自分の意見を反映できる環境にいるので、主体性を高め、自らの成長につなげていきたいです。
最後に
ICT統括室はIT未経験の人も一定数働いています。実際に社内異動制度でITではない部門から、ICT統括室に異動した話は過去のテックブログでも紹介しています。
「未経験からの転職は難しいかなあ」と思っても前職で培った経験や意外なスキルが役に立つことがあります。またIT未経験でも働ける環境がICT統括室には整っていると感じています。
興味がある人はぜひICT統括室を検討してみてください!
このブログを読んでピンと来た方は、ぜひ一度採用サイトもご覧いただけるとうれしいです。まずはカジュアル面談から、という方も大歓迎です。
また、他にも色々な記事を投稿していきます!
過去の記事もご興味あれば、ぜひ他の記事もあわせてご参照ください。
・Recruit Tech Blog
・リクルート ICT統括室 Advent Calendar 2024
・リクルート ICT統括室 Advent Calendar 2023