ユーザ負荷軽減にこだわった社内Macの端末管理システム移行

はじめに

はじめまして。リクルートICT統括室の五味です。リクルート社員が利用する社内端末提供サービスのMac担当をしています。
社内IT部門に興味がある方、当社に少し興味がある方向けに、社内IT部門ってどういうことしているの?端末担当って何してるの?というのが少しでも伝わると良いなと考えています。今回は私が担当している社内端末提供サービスで、端末管理システムの移行をした際のことをお話しします。



端末担当って?

最初に自己紹介ですが、私は入社時ユーザサポートのグループ配属でした。途中でもう少し技術寄りのことに挑戦したくなり、現在の端末提供サービスのグループに異動し、今はMac端末の担当をしています。二度、産休・育休を取得しており、現在は時短勤務で働いています。


リクルートでは社内利用できる端末が選択可能になっており、WindowsとMacそれぞれ数種類のサービスメニューを用意しています。Macは主に開発・デザイン部門の利用者が多く、台数規模としては約5,400台です。なかなか多く見えますが、社内ではWindows端末が多く10倍の約54,000台利用者がいる状況です。Windowsの数を抜く日はかなり遠そうです。

社内端末は、当社のセキュリティ規則に沿った形で各種セキュリティ系ソフトウェアを導入し、安全に社内ネットワークが利用できるようになっています。




何をやったか

社内で取り扱う端末(Mac端末、Windows端末、スマホ、タブレット含む)はすべて端末管理システムで管理しています。
端末管理システムがあることでカスタマイズしたセットアップが可能になり、利用状況の把握ができたり、紛失時等はリモートワイプ(データ消去)でセキュリティリスクを軽減することが可能になっています。




















ある時、社内プロジェクトで、セキュリティやガバナンス強化のためにデバイス毎にバラバラだった端末管理システムを統合することが決まりました。
Macは長年製品A(仮称)を利用していたのですが、統合先の製品B(仮称)で管理できるように移行が必要になりました。

対応が必要なのは以下の2種類です。
・新規Mac:新しくユーザに渡すMac。製品Bで当社用セットアップができるようにする。
      利用者が自分で端末管理システムから離脱できないような「監視モード」という
      設定値にすることが必須。
・既存Mac:既に製品Aで管理しており製品Bへの移行が必要なMac。約2,000台。
      新規Macと同様「監視モード」の設定値のまま移行することが必須。

新規Macは、製品Aと同じ様に監視モードで当社用にカスタマイズセットアップできる形で実装ができたのですが、課題は既存Macで、2,000台のユーザが利用している端末を移行する必要がありました。
端末管理システムの移行のスタンダードな方法としては、端末の初期化をしてから再度製品Bでセットアップをやり直すことです。ただ初期化・再セットアップとなると利用ユーザの負荷が高いですし、自分が利用者なら避けたいことですので、他の方法が取れないか検証することになりました。

















取り組んだこと




















初期化以外の方法がないか移行先の製品Bのベンダーに確認をしていました。
あいにく合致する条件の回答は得られなかったのですが、移行専用製品の紹介をしてもらうことができました。(上図 案4)

 

初期化・再セットアップ以外の方法で案を出し検証を重ねましたが、移行専用製品も含め、最初は希望する形での移行が難しい結果ばかりでした。

ただ検証や調査を進めていくうちに、移行フローを構造化することができました。
構造化したものに、既存の知見と調査結果を当てはめ組み合わせることで、徐々に製品Bに移行する方法の見通しがたってきました。

あとはひたすら検証を繰り返し行い、結果としては自分たちで内製化で移行ツールを作成することに成功しました。

この移行ツールを利用することで、初期化・再セットアップ不要、移行要件だった監視モードも達成した上で、ユーザが15~20分で製品Bへ移行ができるようになりました。




取り組んだ結果と学び



















結果として一番ユーザに喜ばれたのが、やはり初期化不要の部分でした。
移行ツールの実行時間も短かったため、ユーザの移行進捗もよく、移行ツールを自分たちで作成したため、コスト削減にもつながりました。
また移行先の製品Bのベンダーに確認したところ、初期化不要で監視モードで移行できた国内初事例であるということが分かり、嬉しい結果となりました。




最後に

今回はMacの端末管理システムの移行について書きましたが、ユーザの負荷軽減を考え検証を地道に続けた結果、たまたま良い結果がでた形だなと考えています。


本記事読んでくださった皆さん、社内IT部門がどういうことをしているのか、仕事のイメージが少しでもついていたら嬉しいです。私はまだまだ技術力含め自信がないことがあってバタつくことも多いですが、今回の件も含め「やってみたい」「自分はこうしたい」という意志が大事にされる場所だなと思う機会が多いです。
当社に少し興味があって見てくださってる方、チャレンジしたい方はもちろんおすすめですが、自分って何ができるんだろう、分からないけれど何か探したいと迷っている方も、将来的に取れる選択肢が多い場所じゃないかなと思います。

みなさんにお会いできるのを楽しみに待っています!





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