AWS Summit 2016 〜 クラウド活用の最適解を見てきました
sparkgene
こんにちは、sparkgeneです。今年もAWS Summit Tokyoに参加してきました!
AWS Summitとは、4/19にシカゴでの開催を皮切りに世界37ヶ所(ロンドン2回なので38回)で開催される、Global Summitです。未経験者はAWSプラットフォームを知るキッカケに、利用者はより深く理解するためのコンテンツが用意されたAmazon Web Serviceの大きなイベントとなっております。
今年のAWS Summit Tokyoは3日間あり、初日はパートナー向け、2、3日目が一般向けに開催されます。場所は例年通り品川駅近くのグランドプリンスホテル新高輪で開催されます。1)弊社のキックオフもパミールで行われました
今年は事前のレジストが16,400+ということで全体的に人がすごく多く感じました。キャパシティー的に限界な気がするので、来年は違う会場になるのかな?と思ってます。
キーノートで紹介された今回のイベントの各数値は以下のとおりで、どれだけ大きなイベントか分っていただけるかと思います。
事前登録者数 | 16,400+ |
セッション数 | 100+ |
ゲストスピーカー | 50+ |
ブース数 | 50+ |
今回は私が聴講したセッションの中から特に印象的だった4つを紹介したいと思います。
クラウドとマイクロサービスによる音声操作の新時代 - Amazon Echo & Alexa
AVS(Alexa Voice Service)のシニアエバンジェリストである、Amit Jotwani氏が来日してAlexaについて話をしました。
ちょうど1年前にAlexa Voice Serviceが発表され、私自身もずっと興味を持ってきました。昨年参加したre:Inventのスペシャルセッションで更に魅了されたので、個人的にいろいろと触ってきました。
AVSを利用したデバイスはすでにAmazonより幾つか発売されており、火付け役となったのはAmazon Echoです。Amazon Echoの魅力はこちらのビデオで伝わるかと思います。
"Alexa, what is today's weather"のように話しかけるだけで天気を答えてくれたり、音楽を再生したり、TODOリストを管理したりと、発話によって様々なことを操作できるガジェットです。
残念ながら日本では販売されていないため、実機で試すことは出来ませんが、AVSを裏で使ったブラウザで動くシミュレータがあるので、興味がある人は是非試してみてください。2)Amazon.comのアカウントが必要です
AlexaはSkillと呼ばれる機能を発話により実行することが出来、SDKやAPIが公開されているので自分のサービスと連携させることが出来ます。Alexaにはものすごい可能性があるがAmazonの力だけでは足りないので、是非皆さんにも作って欲しいとのことです。ちなみにこのようデベロパーが作ったSkillは、今年の1月の時点では139ぐらいだったのが、最近1000を超えました。
先日のGoogle I/OでもGoogle Home – 音声だけで完結するスマートホームデバイスが発表され、今度のWWDCでsiriが開発者に公開されるのではという噂も出ています。
9年前にiPhoneが発表されてから、今ではタッチインターフェイスが一般的な物となりましたが、9年後には音声を使ったインターフェイスが一般的になっているかもしれませんね。
最先端事例に見るクラウド時代の動画ワークロードの現在と未来
ゲストとして、NTT東日本、4cast、バンダイチャンネル、U-NEXTの方を招いて行われた動画配信に関するセッションです。弊社でもスタディサプリ、料理サプリ、ゼクシィキッチンなど、動画を使ったサービスを数多く扱っているので、他社がどのような環境で動画配信しているのかを興味深く見させていただきました。
Amazon Videoの裏側は当然のようにAWSで支えられています。Elastic Transcoder使ってないんですねw。大まかな作りは似てますが、やはり扱う動画のサイズや本数が桁違いなので、様々な所でオートスケールしたりと規模はかなり違いそうです。
Amazon CloudFront Metrosite?Amazon Video専用のCDNだそうです。
現在主流なビデオサービスでは月額制のモデルが多く、利用者に加入してもらうには幅広いコンテンツを用意しているそうです。そのため、新しいヒット作とかはキャッシュのヒット率が高いのですが、旧作だったり一部のユーザーにしかヒットしないようなコンテンツは、キャッシュに乗ってないこともあったりとユーザーからすると、見ようとしてもすぐに再生が始まらず、ユーザー体験を残ってしまうとのこと。このCloudFrontではそういった問題も解決しているとのこと。
IoT プロジェクトはなぜ失敗するのか
株式会社ウフルの竹之下さんより実際に携わってきたIoTプロジェクトについての話がありました。
IoTビジネスは2020年に500億のデバイスがネットに繋がると言われており、同年に行われる東京オリンピックに向けて2018年ぐらいまでに様々なプロダクトとして世に出てくるだろうと。
過去にやってしまった事例として
- デバイス上でデータを送信するのにfluentdを利用したが、rubyが思ったよりメモリを消費するので、SDカード上にスワップさせた。これではリード・ライトが多すぎてSDカードが1年も持たない
- モバイル通信は意外と接続が切れる。よく切れることを想定していなかったので再接続やタイムアウトがうまくできていなかった
- デモ用にリアルタイムでデータを送るようにしてたら、そのまま本番運用してしまった。
弊社でもブログでなにかやってみましたみたいなのを書いてますが、実際に長期間本番運用となると色々とノウハウが必要になりそうなので、こういった失敗事例はすごく参考になりました。
PARCO が進める IoT とデータ活用事例
株式会社パルコの林さんから、パルコでのIoT事例が紹介されました。
パルコでは来店ユーザーの属性ぐらいのデータは持っていたが、細かい年齢層や時間帯といったデータが取れていなかったそうです。そこで、パルコミュージアムという展示会で来場するお客様の属性等をIoTを使って調べてみて色々わかりましたとのことでした。
クラスメソッド社が以前に詳しいスライドを公開していたので紹介します。
このような方法で、詳細な来店情報が取れるようになったり、雨をセンサーで検知してそのデータと来店情報や売上と関係づけることで、雨がお客様の行動にどのような影響を与えるかが見えるようになったとのことです。
こういったデータを接客にフィードバックすることでよりお客様の満足度が上がり、店舗の売上にも貢献していくだろうと。
最後に出たスライドが非常に印象的でした。
過去は変えられないが、未来は帰ることができる
未来を変えるようなプロダクトをぜひ作ってみたいですね。
まとめ
2日間にわたって参加してきましたが、大手企業が全面的にAWSへ社内インフラを移行した事例だったり、IoT関連の事例も多く見られました。去年のAWS Summitはよりエンタープライズな印象でしたが、今年はそこにIoTが大きく入ってきたと感じました。
また、縁があって最終日にはAlexaのエバンジェリストであるAmit Jotwani氏とJAWS-UGのAlexa触っている人達でミーティングの場を設けていただいたので、色々と質問をさせていただいたり、他の人が実際に作る上で悩んでいる部分とかも聞けて、大変参考になりました。
脚注
↑1 | 弊社のキックオフもパミールで行われました |
---|---|
↑2 | Amazon.comのアカウントが必要です |