re:Invent 2015参加レポート#2〜AWSスペシャルセッション #reinvent
sparkgene
こんにちは、sparkgeneです。
AWS re:Inventツアーの一環で、シアトルから参加する人たち向けの特別セッションに参加してきました。
アジェンダ
# | Title | Speaker | Official Position |
---|---|---|---|
1 | Welcome & Opening | Hideki Ojima | Head of Japan Marketing, Amazon Data Services Japan |
2 | Amazon Instant Video (日本名:Amazon プライムビデオ) | Adam Gray / Wade Wakashige | Sr. Manager, Product Management, Digital Video Product Development / Sr. Manager, AIV Int’l, Digital Video Business |
3 | Amazon Echo & Alexa | Sonil Ahuja | Software Development Engineer, Alexa Team |
4 | AWS Support Updates & Amazon zulture | Shohei Azuma | Manager Cloud support, AWS Support |
Welcome & Opening
ADSJの小島さんより挨拶と当セッションが行われているビル、Amazon HQのあるキャンパス、「KUMO」(日本語の雲=クラウド)の位置関係、AWSチームの引っ越しの歴史といった話がありました。AWSチームはどんどん成長していることから、元々AmazonのHQがあったPacMedからキャンパスへ引っ越し、その後追い出されて今のBLACKFOOTへ引っ越してきたとのことです。
Amazon Instant Video (日本名:Amazon プライムビデオ)
Amazonプライム会員であれば映画やドラマなど多くの動画コンテンツを観ることができるサービスです。
日本でもすでにiTunes StoreやHulu、Netflixとった海外発の動画視聴のサービスが展開されている中でAmazonも参入してきたわけですが、参加者からは『これらのサービスとの差別化がどのように行われていくのか?』という質問が出ていました。
特に小売でDVDの販売を行っているAmazonが動画配信サービスを始めることで、これらの売上や市場への影響についても質問として挙がっていました。
現状の考えは1)厳密には一意見として回答されましたが、DVDの販売とオンラインの動画配信は、相互に良い影響を与えると考えているとのことで、差別化についてもAmazonスタジオというオリジナルコンテンツを制作する仕組みも用意しており、日本向けにもオリジナルコンテンツを用意しているとのことでした。また、Fire TVといったAmazonプライムビデオを再生できる専用端末を用意したり、この分野に対するAmazonの本気度を感じてもらえるでしょうとのことでした。
Amazon Echo & Alexa
個人的には一番興味があったセッションですが、Amazon Echoについてのセッションでした。
以前Qiitaに投稿した記事でいろいろ調べていたので知識だけはありましたが、実機は持っていないので実機を使ってサンプルのskill(発話に対応する機能)を作成して実行するのを見て、より欲しくなりました。
amazon.comで宛先をラスベガスでの宿泊先に指定して買うという裏ワザがありますが、この記事を書いている時点では買うか悩み中です2)技適通ってないのでね。。。
とはいえ、現在はまだ英語の音声認識&発話にしか対応しておらず、今後ドイツ語、イギリス英語への展開を進めているとのことでしたが、日本語への対応はもう少し先になりそうです。
自作したskillを登録しAmazonの審査を通ると、各ユーザーからも利用できるようになるので、弊社の料理サプリskillを作成すれば、「Alexa, 今日のオススメ料理は?」みたいに問いかけることで、おすすめのレシピを紹介してくれるような事もできます。
しかし、使い方としてリビングにおいて、話しかけると音楽を流してくれるみたいな便利なガジェットではあるのですが、家族の中でもお父さんが聞いた場合と子供が聞いた場合では欲しい情報は変わってくるわけです。そのようなパーソナライズも今後対応していく考えはあるようでしたので、まだまだ可能性を秘めたデバイスではないかと思います。
その証拠として、Amazonは1億ドルのファンドを立ち上げており、これらの機能を使った新しいサービスの登場を支援する仕組みも用意しています。
AWS Support Updates & Amazon Culture
シアトルで活躍しているAWSサポートマネージャーの東 祥平さんからサポートの注目リリースの話しや、Amazonのカルチャーについての話がありました。
サポートのアップデート
Amazonのスタンスとしては、よりカスタマーが満足できるようにサービスを提供していく事を最も大事にしていることから、サポートとしてはTrusted Advisorの様により低価格にする方法についてのアドバイスや、サポートによく来る質問をナレッジセンターという形でカスタマーに提供出来るようにアップデートや新規にリリースをしています。
また、サポートはグローバルな体制を組んでおり、様々な国にサポートの拠点を構えているとのことでした。
Amazonのカルチャー
新規のサービスを考える場合も、パワポで企画書を作るのではなく、『カスタマーにとってどんなメリットがるのか』、『どんな課題が解決されるのか』と言った内容をそのサービスを実際に世に出す際のプレスリリースとして書き、企画として挙げていくとのことです。
また、基本的にはパワポでプレゼンと言った形式ではなく、6pagerと呼ばれるフォーマットにそって新規のサービスを説明する資料を作り、それをみんなで読み込むことで客観的に良いサービスなのかを判断しているそうです。プレゼン形式だと話す人によって差異が出てしまい、本質的な部分が見えてこない事もあるので、6pagerをじっくり読んで判断することになっています。
イベントを開催する際も1pagerと呼ばれるフォーマットに沿って企画を書くそうです。そのイベントをすることでどんなメリットがあるのかをわかりやすく説明することが出来、上司もそれによって判断できる仕組みとなっています。
Amazonianとしての考え方を定義していることで、会社によくある行動指針みたいなものとなっています。
ただし、普段の会話でもこのOLPに出てくる言葉が使われており、ただの形式化されたスローガンみたいなものではなく、実際にこの考えに沿って仕事を進める様にしっかりと根付いているものとなっています。
Every day is still Day One
我々はまだまだ事を始めたばかりで、朝食すら始まっていない場所にいるんだ
という考えで、初心を忘れるなの精神を表しています。
まとめ
新しいサービスを担当されているエンジニアの方から直接話を聞けたり質問ができたりと、興味深い特別セッションでした。
Amazonのカルチャーについても、「お客さん第一主義」と日本が得意としているような考えが、より明確に確立された手法で実践されている印象を受けました。
世界最大規模のEC&クラウドを運営しているAmazonですが、今も創業当時のように、ドアを机にするといったやり方でコストを下げ、顧客に還元するというカルチャーは今も変わっていないんだなと伺い知れます。
おまけ
セッションのあとは現地の社員がランチで食べているようなランチボックスが配られました。
サンドイッチ、小さいポテチ、チョコ、アーモンドといった、アメリカらしい内容でした。