「世界へいこう!」SEOマーケターから見たグローバルの魅力
坪山 芙美子
SEOマーケターの坪山です。
今年の5月から、欧州で美容メディアを展開しているWahanda(https://www.wahanda.com/)のSEO推進を担当しています。本記事では、半年間のグローバル案件を通じて感じた、その魅力をご紹介します。
1.今すぐ海外へ! 国内のSEOスキルは、世界でも通用する。
海外の魅力を紹介する前に、もしこの記事をお読みの方の中に、少しでも海外へのあこがれがあるマーケターの方がいれば、今すぐにでも海外の仕事をしてみることをお勧めしたいと思います。
SEOのスキルは世界で通用するスキルです。私は国内のSEOマーケターを5年ほど経験してから初めて海外進出したのですが、想像の中では欧米のITは自分が知らない世界ほどに広がっていて、そもそも自分のスキルが役に立つレベルなのだろうか?と最初は不安でした。
ですが、実際はそんなことはありません。
- KWDがユーザーのニーズとマッチしていない
- 重複コンテンツがある
- PCとSPの関連付けができていない
- そもそも取得しているアナリティクスデータが間違っているし、不十分
Wahandaで見つかったSEO課題の例です。これだけ見ても、海外だからといって特別なSEOが必要なさそうなことは、熟練のSEOマーケターであれば容易に想像がつくのではないでしょうか?
私の経験上、これまで国内でSEOを推進してきた人であれば、海外でも9割は同じ要領で仕事を行うことができます!残りの1割は、文化・言語・マーケットの違いのために生じる調査工数。全作業のうちのたった1割、乗り越えるのは簡単だと思います。
2.常識を捨てる楽しみ。
文化が異なるのでマーケットが異なることは当然なのですが、この「違い」は私の想像をあっという間に超えていきました。
たとえば、ロンドンの女性は"Waxing"に、2週に1度の頻度で通います。"Waxing"とは、ワックスを使った脱毛のこと。日本では、永久脱毛であるレーザー脱毛が主流なので、あまり一般的ではありません。隔週で通わなければならない手間やコストを考えると、どう考えても永久脱毛を選ぶはずだと思ってしまいますが、なぜこのような違いがあるのでしょうか。
この違いについて深く調査していった結果、実はレーザー脱毛は黒い色に反応して毛根を燃やすという仕組みなので、毛髪の色が黒で肌の色が白いアジア以外では展開が難しいらしいということが判明。"はやらない"のではなく、"使えない"というのが理由だったのです。
文化の違いによってニーズが変わるのは当たり前ですが、なるほど身体的な特徴によっても大きくニーズが変わってくるのかと、(今考えればふつうなのですが)知った当初はかなりの衝撃でした。改めて、これまで疑問にすら感じていなかった常識は世界では通用しないのだと気づかされ、何よりデータを見たり、人に会ったりしてリアルな情報を知ることが海外案件に携わる者として重大なテーマなのだと思いました。
もちろん調査には莫大な時間がかかりますが、それを得た人にだけ想像をはるかに超える違いに出会える楽しみが訪れるのだと思います。
3.自分を変える。
捨てるべき常識はマーケティング要素だけでなく、仕事の進め方においても言えることです。
特に、海外案件に特殊なこととして【時差】と【距離】の物理的な問題があげられます。リクルートでは、「わからないことはすぐに聞く」文化が定着しているのですが、会話をする相手が海外にいるケースだと、何かふと疑問がわいたとしても、その瞬間に相手とコミュニケーションをとることができません。そのため、案件の進行に遅れが出やすくなります。
Wahandaの場合は、拠点にもよりますが時差が大体7時間あるので、現地の人たちとコミュニケーションが取れるのは、夕方18時から寝るまでの時間帯。私の業務終了時間は19時。まともな業務時間に合わせると、たった1時間しかリアルタイムに話ができる時間はありません。
一回のコミュニケーションの重要性はおのずと高くなるため、テレカンや出張の前には、資料作りや論点の整理を入念に行っています。
その他、日本にはない海外の常識はたくさんあります。
- 6時には帰宅
- バケーションは1か月
- 言いたいことは言うし、自分のために戦う
- 書いてないことはしない
Etc…
あげるときりがないのですが、どんな相手が現れたとしても、相手の常識を受け入れ自分を変化させることも、グローバルの楽しみの1つではないかと思っています。
まとめ
グローバルには、日本では体験できない面白さがたくさん転がっています。一度グローバルに出ると、世界の広さに圧倒され、自分の視界が一気に明るくなります。英語は語るまでもなく必須スキルですが、一度海外に出てしまえば覚えざるを得ない環境に陥るので、スタート時点では気にする必要はありません。私も勉強中!必要なのは、これまでの自分の経験とスキルを信じて、世界に飛び込む勇気。
みなさんの勇気が世界を変えるサービスにつながるのだと思います!