チャットで広がるコミュニケーション
浅野 宏明
新年、明けましておめでとうございます。
レストランボード開発チームでテックリードをしている浅野です。
今回は、リクルートライフスタイルで最近一層盛り上がってきているチャットツールの活用について紹介したいと思います。
きっかけ
これまで本ブログでも『Slack"分報"、流行ってます』などで事例の紹介をしているので「何を今更」と思われるかもしれませんが、実際にチャットの積極的な活用が全体に広がり始めたのは比較的最近のことです。
そのきっかけとなったものして、チャットツールの移行が挙げられます。
実は、過去の『モダンな開発をするための取り組み』の記事でも紹介されている通り、リクルートライフスタイルではチームコラボレーションツールとしてAtlassian社の製品を利用しており、それに伴い当初チャットツールはHipChatが採用されていました。
それが昨年の10月からSlackへの本格移行が実施され、今ではほぼSlackに統一されています。
これによって具体的に何が変わったのでしょうか。
要因はいくつもあると思いますが、特に
- チャットツールの統合
- オープンな権限
- 標準コミュニケーション機能の豊富さ
があったと考えています。
チャットツールの統合
前述の通り、以前はチャットツールとしてHipChatが採用されていました。
しかし、元々エンジニアからはSlackの人気が高く、部分的に検証用のSlackで活動していたり
更にはエンジニア以外は主にSkypeを使っていたりなど、複数ツールが入り乱れている状態となっていました。
それがすべてSlackに移行されたことで、単純にツールが統合されたというだけでなく、
コラボレーションできる人数が増えた、というのが大きな変化としてあったのではないかと思います。
オープンな権限
ツールの差というよりは社内の権限管理上の問題ではありますが、Slackではかなり緩めに権限が設定されており、Integrationなどは誰でも自由に追加できるようになっています。
以前は、Botを作るのにもわざわざ専用アカウントを発行しないといけなかったり、
Integrationの設定に都度申請が必要だったりなど、権限周りでいろいろ不便な点がありました。
申請などの手続きをすることなく拡張機能が利用できることで、よりチャット上に情報が集約され、そこから新たなコミュニケーションが発生するというような好循環に繋がっていると感じています。
試しに現在のSlackのIntegration設定を覗いてみると
不可欠な周辺開発ツールとの連携はもちろん
Botもボタン一発で作れるため、必要に応じてプロダクト毎に動かしています
そしてRSSの大人気っぷり (本当に全部見られてるのだろうか…?)
機能として実際に実現出来ることは変わらなくても
「ちょっと試しに導入してみる」
が気軽に出来るかどうかというのはとても大きな違いだと感じています。
標準コミュニケーション機能の豊富さ
Slackには、メッセージに対する リアクション / シェア / スター(お気に入り) といった機能が標準で提供されています。
これらの機能は「業務」という目線から見ると逆に煩わしい要素にもなり得るものですが、ライトなコミュニケーションの活性化という面で大きく貢献してくれているのは間違いありません。
これはやりすぎの例
ChatBotの活躍
前述の通りの手軽さから、様々な作業がBotによって自動化され、活用されています。
(もちろん、それと同時に採用されずに消えていくものも大量にありますが…)
- チケットやPRの状態などをサマリで報告するレポート系
- イベントやログ検知などの通知系
- データ生成やビルドを自動化するアクション系
- etc.
折角なので、レストランボードチームで実際に利用されているBotの機能についていくつか紹介したいと思います。
※ レストランボードチームで管理しているBotは、サービス名の頭文字であるRB
と語呂を合わせてRBot
と名付けられています
AppStore審査監視
iOSアプリ開発者の方はご存知かと思いますが、iOSアプリを審査に出すと審査の開始時や通過時などにメールで通知が飛んできます。
しかし、関係者全てがそのメールを受け取れるわけではなく、且つリクルートグループとして管理しているすべてのアプリ(300以上!!)の通知が飛んでくるため、自身のサービスの情報だけをキャッチするのは意外と大変です。
そのため、レストランボードに関するメールのみを関係者のいるチャンネルに飛ばすようにしています。
会議開催通知
「無駄」の例としてよく挙がる会議問題。
前もってアジェンダを整理し、不要な場合はスキップ!
…するのは良いものの、管理や開催要否をメールでやり取りするのも煩わしいところ。
特にチケットの確認がメインとなるような会議では、Botによって対象チケットの集計と開催通知を行っていたりもします。
もたらされた変化とこれから
エンジニアのチャット活用の活性化により、単純な作業の自動化や業務の効率化といった側面以外にも新たに生まれた変化がありました。
エンジニア以外のメンバー(デザイナー / ディレクター / etc.)とのチャットによるコミュニケーションも活発になったことです。
メッセージへのリアクションなど、これまでメールでのやり取りでは出来なかったようなライトなコミュニケーションへの発展から、
前述のようなChatBotの機能を利用するだけに留まらず、見よう見まねで拡張したりといった動きも出てきています。
とはいえ、組織全体での活用としてはようやく土壌が出来てきたという段階で、まだまだ発展途上です。
技術的にもIoTデバイスとの連携など、新たな試みが進んでいますので、今後も経過や事例など紹介していければと思います。