Tokyo Photo2012にてNFCを活用した実証実験を行いました。

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展示補助ツールとして、専用のデバイスの作成とNFC(*1)タグを埋め込んだカードを準備し、来場者に、より写真展を楽しんでいただける仕組みと、効率的なプロモーションの仕組みの構築に、リクルートアドバンスドテクノロジーラボは技術提供を行いました。

専用のNFCカードを展示場内壁面、ギャラリーブースごとに据え付けられたNFCリーダーにかざす事で、手持ちのiPhoneやスマートフォンのブラウザ画面上に該当するギャラリーの名前や住所、連絡先、代表的な作品が自動的に表示されます。また、こうして表示・入手した情報は、後ほどパソコンやiPhone、スマートフォンから、同じWebサイトにアクセスすることで確認できるようになっています。展示会場内では、作品鑑賞などを楽しんで頂き、帰り道やご自宅などから再度楽しんで頂ける仕組みです。また、Facebookとの連動を行う事で、ユーザーのウォールへの投稿や、写真の投稿機能を有しています。

こうした仕組みにより、ご来場頂いた方には、より楽しめるコンテンツの提供、出展者側には効率的なプロモーションを実現し、多くのご来場者及び出展者にご利用、ご活用頂きました。

【今回の実証実験にて実現した内容】

受付横のブースにて、NFCタグを内蔵した専用のカードを配布すると同時に、同ブースにて、パネルを使った説明と、有人による案内を行いました。

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まず、はじめに、手持ちのiPhoneやスマートフォンにて、専用サイトにブラウザからアクセスして頂き、カードに記載されているIDを入力します。同時にFacebookアカウントで認証する事で、ブラウザとNFCカードが連動する状態となります。認証及びFacebook連携の設定が終わると、ブラウザ上に使い方の説明が表示され、NFCカードとブラウザが連携した状態となります。この状態で、任意のNFCリーダーにカードをかざす事で、ブラウザが自動的に当該ギャラリーの情報を表示します。

NFCカードをNFCリーダーにかざすことで、iPhoneやスマートフォンのブラウザ上からは、ギャラリー情報の確認や、代表的な写真をFacebookにて共有する事が出来ます。
また、NFCカードをかざすことで収集されるギャラリー情報はマイギャラリーとして専用サイトに保存され、後ほど確認する事が可能です。

【今回の実証実験のハードウェア及びソフトウェア構成について】

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NFCリーダー部分のハードウェア構成としては、USB接続のACR122Uを小型Linux端末であるBeagleBone(*2)に接続して利用する形となっています。
NFCリーダーにカードをかざす事で、設置機器の半透明部分を青く光らせる仕組みには、BeagleBoneに電子回路を接続し、フルカラーLEDをPWM(*3)で制御しています。
これらの各種制御は、BeagleBoneにインストールしたUbuntuとRubyのみで行なっております。また、NFCリーダーはNFCタグを読み取り、インターネット側に配置したサーバーへ読み取ったID情報を送信することが主な役割です。NFCリーダーにて読み取ったID情報ごとの振る舞いは全てサーバーサイドでコントロールする実装となっています。こうした実装を行うことで、事前にNFCリーダー端末とギャラリーを対照する必要が無く、設置が完了した段階で、端末ごとに適切なギャラリー情報を割り振ることを可能としました。各端末と各ギャラリーを対照する為に、事前に特定のカードを選り分けておき、特定のギャラリーに登録する等の特殊な振る舞いを行わせるカードとしました。また、こうした振る舞いを行わせるカードを鍵束のようにして準備しました。

これらのように、一般的なwebエンジニアの技術のみでも、電子回路制御(LED、サーボモーター、各種センサー制御など)やフィジカルコンピューターを用いた施策を容易に実現可能であることを確認できます。

TokyoPhotoでの取り組みに関して、こちらをご確認下さい。

また、各技術の詳細に関しては、追って別の記事にて解説をする予定です。

*1 NFCとは

Near Field Communicationの略称であり、近距離無線通信と訳されます。

参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E8%B7%9D%E9%9B%A2%E7%84%A1%E7%B7%9A%E9%80%9A%E4%BF%A1

*2 BeagleBone

低コストの小型Linux端末であり、電子制御用のシリアルポートを装備しています。

参考:http://beagleboard.org/bone

*3 PWM

PWM(pulse width modulation, パルス幅変調) とはデジタルのON/OFFを高速に行うことで、アナログ回路を制御する方法。次回以降の記事にて解説を行います。

参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%AB%E3%82%B9%E5%B9%85%E5%A4%89%E8%AA%BF