「フィーチャードスニペット」の流入獲得力と対応方法
だっち
9月27日~29日にかけてNYで開催された「SMX East 2016」現地からのレポートです。フィーチャードスニペットについて語ってくれたのは、ニュージャージー州にあるデジタルマーケティングのコンサルティング会社、「G-Squared Interactive (GSQi)」のプレジデント、Glenn Gabe氏です。
この記事の全体像
フィーチャードスニペットの基本と効果
フィーチャードスニペットとは
フィーチャードスニペットで享受できること
フィーチャードスニペットによる流入
フィーチャードスニペットの種類
フィーチャードスニペットについての疑問
小規模サイトにも可能?
フィーチャードスニペットは常に良い結果を表示するの?
獲得するためには検索結果上位にいなければだめ?
質問形クエリにしか出ないの?
構造化データでのマークアップが必要?
勝ち取る方法は?
パーソナライズされる?
すぐ認識してもらうには?
確認方法は?
フィーチャードスニペットとは
フィーチャードスニペットとは、検索クエリに対しての答えを直接検索結果上に出す仕様のことで、アンサーボックスなどとも呼ばれます。かつてはここに表示されることで検索者の疑問が即座に解消してしまうため、流入が減少する!という意見もありましたが、現在どのような状況になっているのでしょうか。
フィーチャードスニペットで享受できること
フィーチャードスニペットは、そのクエリに応えうる記述を持っているサイトが選ばれ、本文が抜粋されて使われます。なにもWikipediaしか表示されないわけではありません。では、私達のページがフィーチャードスニペットに採用されると、どんなことが起こるのでしょうか。グレン氏は次のように語りました。
- 検索結果上で特別な扱いを受けられる
- 流入が増える
- 信用を増加させられる
グレン氏は、このことから「フィーチャードスニペットはパワフルだ!」と主張しました。ではどれくらいパワフルなのでしょうか。いや、どれくらい流入を増やしてくれるのでしょうか。実例を以って解説してくれました。
フィーチャードスニペットによる流入
例として出ているサイトでは、3ヶ月で特定のLPの全体流入(60,673)のうち、73%をフィーチャードスニペットが占めるようになりました。たくさんの流入がフィーチャードスニペットから発生していることがわかります。ちなみにフィーチャードスニペットを失ったときは、以前と比べて2週間で39,000の流入を失ったそうです。
フィーチャードスニペットの種類
フィーチャードスニペットは常に同じ形というわけではなく、その内容に応じて形を変えます。テキストのみのもの、箇条書きのもの、画像付きのもの、箇条書きで画像付きのもの、表になっているもの、さらにコンテンツが表示されているものなどです。
小規模サイトにも可能?
「でも、それって大きなサイトのためのものでしょ?」この問に対してグレン氏は明確に違うと述べています。「これまでに様々な種類のサイトがフィーチャードスニペットを勝ち取るのを見てきたとし、どんなサイトであれフィーチャードスニペットでは勝ち目がある」としています。実際に、大手サイトよりも上位に小規模サイトのフィーチャードスニペットが出ている事例を出してくれました。
こちらはGoogle+についてのクエリで、Googleの公式ヘルプよりも上位にStone Templeのサイトが出ている事例。Stone Templeはデジタルマーケティングのコンサルティング会社で、このSMX East 2016にも別のテーマで登壇しています。
ちなみに、こういったカンファレンスではすぐGoogle+をネタにする傾向があります…笑
これはBowflex社のトレーニング器具「MAX」について検索したときの検索結果画面。Amazonよりも、そしてBowflex社公式よりも上位にレビューサイトがフィーチャードスニペットとして表示されています。
フィーチャードスニペットは常に良い結果を表示するの?
これにもグレン氏は「ノー」です。一見アルゴリズムによって制御されていそうなフィーチャードスニペットですが、まだまだエラーが残っています。例えば、404になっているページやスパムページ、おかしなページが出てくることがあります。
「どうして『タイタンフォール』を遊ぶためにはXbox Live ゴールドメンバーシップへの登録が必要なんだ?」というクエリ。フィーチャードスニペットが表示されていますが、質問への回答にはなっていません。
しかもアクセスしてみると、ページが存在しない。こういった状態でも、フィーチャードスニペットに出るときは出てしまうんですね。
フィーチャードスニペットを獲得するためには検索結果上位にいなければだめ?
やっぱりこれにもグレン氏は「ノー」です。これまでに検索結果の1ページ目以降のページでフィーチャードスニペットを獲得してきたサイトをいくつも見てきたそうです。
しかし、多くの場合はやはり1ページ目にランクインしているページからフィーチャードスニペットが作成されるようです。
フィーチャードスニペットは質問形クエリにしか出ないの?
これもノー。質問以外のクエリでも、フィーチャードスニペットは表示されます。
「4K解像度」というクエリ。聞いてないけど、ピクセル数がフィーチャードスニペットで表示されています。
構造化データでのマークアップが必要?
これもノー。「構造化データはフィーチャードスニペットのファクターではない」と言い切っています。
Googeのジョン・ミューラー氏も過去に「構造化データの利用を一度考えたが、やっぱやめた。ウェブマスターたちが構造化データ実装のためのコーディングでこれ以上立ち往生するのを望んでいない」と述べています。
フィーチャードスニペットを勝ち取る方法
ユーザーのクエリに対して表示されるフィーチャードスニペットを想像し、完結かつ明確に答えることを意識してコンテンツを改善する、です。グレン氏は具体的に以下のようなアクションに落とし込んでいます。
- 出来る限り完全に、かつ明確にそのトピックについて書くこと
- 質問に簡潔に応え、質問と回答を両方をページに書くこと
- クエリへの真の回答となる簡潔なセクションを用意すること
- プロセスについては箇条書き、順番書きを利用すること
- 答えに近い、印象強い画像を入れること(フィーチャードスニペットに引用できるような)
- テーブルのことも忘れないでね
フィーチャードスニペットはパーソナライズされる?
検索者の属性や位置によって検索結果が変わる「パーソナライズ」。フィーチャードスニペットもその影響を受けるのでしょうか。これには「イエス」です。
- Googleアカウントにログインしているかしていないか
- これまでの検索履歴
- 認識している位置情報
これらの要因から、フィーチャードスニペットは見た目・引用元ともに切り替わります。
フィーチャードスニペットにすぐ認識してもらうには?
通例、それはすごく迅速に行われます。グレン氏は、特定のURLにフィーチャードスニペットの前処理が行われた形跡を見て、その直後にフィーチャードスニペットが表示されたとのこと。
フィーチャードスニペットの確認方法は?
グレン氏はお気に入りのツールとして「SEMrush」を挙げています(日本にも対応しているツールです)。SEMrushにアクセスし、自分のサイトのドメインを入力。PC操作の場合は左側のバーの「Organic Research」をクリックすると、右側に「SERP Features」という項目が出てきます。そこで、ご自身のサイトが検索結果に表示されているうち、フィーチャードスニペットの割合がどれくらいかを見ることができます。
また、実際にフィーチャードスニペットを獲得した後は、おなじみGoogle Search Consoleからも 検索トラフィック > 検索アナリティクス > クエリ > クエリをフィルタ することで、そのクエリからの流入が増えているかどうか、過去3ヶ月分を遡って確認できます。
おわりに
だいぶ長くなっちゃいましたね。この記事、フィーチャードスニペットって単語の出現数すごそうで逆に心配です(なるべく減らしたんですが)。このページにランディングした人の疑問が解決していれば幸いです。実際のセッションで使用されたスライドはこちらからご確認ください。