リクルートの採用面接で必ず問うことは? 部長に聞く、PdMに求める素養とスキル

リクルートではどんな人材が求められるのか? インターネットなどの情報で、ある程度のイメージは掴めるかもしれません。

では、現場を預かるマネージャーは、プロダクトマネージャー(以下、PdM) にどんなことを期待しているのでしょうか? 今回は二人の部長職、住まい領域の立花優也、飲食・美容領域の髙梨智子にリアルな本音を語ってもらいました。部長たちが考える、リクルートのPdMに必須のスキルとは? また、採用面接も担当する両者が、面接時に重視するポイントとは?

※本記事に記載されている社員の所属部署および役職は、インタビュー実施時点の情報です。


立花優也(たちばなゆうや):プロダクトデザイン室 販促領域プロダクトデザイン1ユニット(住まい) 住まい領域プロダクトデザイン1部 部長/担当サービス SUUMO
髙梨智子(たかなしさとこ):プロダクトデザイン室 販促領域プロダクトデザイン3ユニット(旅行・飲食・ビューティー・事業開発) 飲食・ビューティー領域プロダクトデザイン部 部長/担当サービス 飲食・美容

リクルートのPdMに求められる4つの素養

――リクルートのPdMは、どんな経歴やスキルを持った人が多いですか?

立花:一言でいえば「いろいろな 人」がいます。PdMは業務内容が幅広いため、さまざまなスキルを持った人がいますし、新卒とキャリア入社社員の割合も半々くらいです 。ただ、そのなかで「活躍している人」を抽象化すると、3つの特徴が挙げられると思います。

1つ目は、やるべきことを期日通りに、自主的にやること。リクルートでは「確動性が高い人」という言い方をします。

2つ目は、事業やプロダクトに対するパッションがあり、最後まで細部にこだわれること。

3つ目は、自ら学ぶ意欲を持っていること。PdMは業務の内容が幅広く、リクルートの場合はドメインも多岐にわたるため、時には学習しながらプロジェクトを進めていかなければいけないケースもあります。ラーニングアジリティみたいなものは、かなり重要だと思います。

高梨:立花さんの回答に近いですが、リクルートには自分に対する「内発的動機付け」ができる人が多いと感じます。任された仕事に対して、何も考えずにただこなすのではなく、その業務は事業全体にとってどんな意義があるのか、背景をふまえた優先度はどうかなどを、自分なりに理解した上で取り組む。自分がそこで発揮すべき成果や価値まで、しっかり考えてモチベーションに代えられるような人ですね。

実際、そういう人が活躍していると思いますし、自分のなかに軸があるので辛い状況に陥っても乗り越えられるのではないかと。

――「確動性」「パッション」「ラーニングアジリティ」「内発的動機付け」。このあたりがキーワードですかね。基本的には指示待ちではなく、自分の頭で考え、主体的に動ける人が求められるのでしょうか?

立花:そうですね。PdMのミッションは担当するプロダクトやサービスの「新しい価値」をつくり、事業を成長させることだと考えています。そのため、指示を待っているだけ、与えられた仕事をこなしているだけでは役割を果たしたとは言えません。

業務の本質をとらえ、新たな価値につながるような施策を提案したり、時には自分の役割を超えて動いてくれたりするとマネジメントする側も助かりますし、評価されやすいと思います。

――同じPdMでも、会社によっては与えられたミッションを100%こなすことが求められるケースもあると思います。真逆の環境からリクルートに転職して、戸惑う人もいるのでは?

高梨:確かに、主体的にと言われても「どこまでやっていいか分からない」という転職者の声は一定数ありますね。あるいは、本人はアクションを起こしているつもりでも、マネージャー側からすると「もっと踏み越えてほしい」と、物足りなさを感じることもあります。どこまで主体的に動くか、与えられた役割から染み出して動くかの線引きは難しいのですが、極端に言えば「染み出しすぎ」と注意されるくらいまでやるというくらいでいいのかなと思います。

とはいえ、リクルートは主体的なアクションを歓迎する風土なので、基本的にそれが咎められるということはありません。キャリア入 社組にも、変にブレーキをかけずにどんどん動いてほしいということは最初に伝えますね。

――役割を超えたアクションというと、具体的にどんな動きが歓迎されるのでしょうか?

高梨:例えば、実際にプロダクトを使うお客様 のことを理解したいから営業に同行させてくださいとか、営業資料やデータを見せてくださいみたいなことは、むしろ営業側からも歓迎されますね。

PdMがお客様や営業の仕事に対する理解を深めることで、コミュニケーションが円滑になり、仕事も進めやすくなりますから。そのあたりの理解は組織全体に浸透していて、PdM側から積極的に提案してきてほしいと期待している他部署の人も多いと思います。

部長たちが採用面接で重視するポイントは?

――お二人は採用面接も担当されるということですが、キャリア採用面接で重視しているポイントを教えてください。

立花:前職で担当したプロジェクトでご自身が何を考えていたのか、考えた結果、どんな動きをして、どんな成果を得たのか。そこは前職の経験を聞く際に、深掘りするようにしています。

繰り返しになりますが、リクルートのPdMは上から言われたことをひたすらやるのではなく、いかに主体的に動き、成果を出していくかが求められます。前職でいくら実績があっても、そこに自分の意思や目的意識が全くなければ、リクルートでは再現性を得ることは難しいと思うためです。

高梨:「なぜ?」を繰り返して思考できる人かどうか、という点は重視しています。お話の内容は何でもいいのですが、なぜその事象が起きて、そこで自分は何を考えて行動したのか。これまでのどんな経験が、その行動や決断につながっているのか。わりとしつこく質問しますね。日々思考する習慣がある人は、かなり深く掘っていってもしっかりと語れる印象があります。逆に、一つ目の「なぜ?」で答えに詰まるケースもあります。

これを明かしてしまうと面接前に対策される方もいらっしゃると思いますが、それが面接のために用意した表面的な答えなのか、それとも普段から「なぜ?」を習慣づけて思考しているからこそ出る答えなのか。そこはしっかりと見極めたいですね。

――では、スキルの面ではいかがでしょう? お二人はキャリア入社のPdMにどんな能力や経験を求めますか?

立花:難しい質問ですね。というのも、リクルートには規模やフェーズが異なるさまざまな事業があり、サービスによって、またタイミングによっても求められるスキルが変わってきます。そのため、ハードスキルに関しては一概に「これ」と言えない部分があって。ただ、ソフトスキルでいうとやはり論理的思考力みたいなものは、どこの部署でも重宝される汎用性の高い能力なのかなと思いますね。

リクルートに限らないかもしれませんが、ロジカルに物事を捉えて構造化し、常に最適な選択肢を考え続けなければいけない場面は多いですから。

高梨:私が見ている美容・飲食領域は大規模で、扱うプロダクトやシステムも多岐に渡ります。関係者の数も多いため、各種ステークホルダーと調整をしながらプロジェクトを管理できるスキルを持った方が来てくれると、とてもありがたいですね。

事業ドメインの知識は後からでも身につけられるので、まるで違う領域であっても前職でプロジェクトマネジメントをがっつり経験している人は、どの部署でも重宝されると思います。

――たとえば、他社での事業開発などの経験はリクルートでも活かせますか?

高梨:経験があるに越したことはないですが、マストというほどではないですね。というのも、リクルート流のビジネスのやり方、意思決定の基準やプロセスがあるので、別の事業会社での経験がそのまま当てはまるとは限りません。

また、一口に事業開発といっても、少人数のベンチャーとリクルートのような大規模な組織とでは、合意形成のあり方なども全く異なります。そこで前職でのやり方に凝り固まってしまうと、かえって苦戦するかもしれませんので、過去の経験にとらわれすぎずに、少しずつリクルートのやり方を知ってもらい、スイッチを入れ替えてもらえればいいのかなと思います。

やりたいことを実現するためにリクルートという会社を使い倒してほしい

――最後に改めて、リクルートに興味を抱いている求職者の方へメッセージをいただけますか?

高梨:これから入社される方には、リクルートという会社を「使い倒す」くらいの気持ちで来てほしいと思います。仕事を通じて成し遂げたいこと、社会に貢献したいことがあって、それを実現するためにリクルートという仕組みを利用し自ら成長する。それくらいの気持ちがある人は、おのずと主体的に動けると思いますので。

逆にそういった内発的動機がなく、会社が機会を与えてくれると思っている人には、リクルートはややしんどい環境かもしれません。

立花:冒頭でパッションという言葉を使いましたが、パッションというのは後から醸成することもできると考えています。特に、リクルートには面白い事業がたくさんあり、その多くが長い時間をかけて情熱を注ぐ価値のあるものだと思います。

僕自身も、入社前は住まい領域の知識はほぼありませんでしたが、『SUUMO』 の事業の展望や不動産業界の課題を知るなかでパッションが高まっていき、この事業に数年のキャリアを捧げてもいいと思えるまでになりました。

ですから、少しでもリクルートの事業に興味があって、事業を通じて社会に貢献したいという思いがある人であれば大歓迎です。会社の体制も変わり、さまざまな領域で新しい仕掛けがスタートする動きもあります。ぜひ、その仲間に加わってほしいですね。


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