世界最大の電気街がヤバい!ニコ技深圳観察会2017春に参加してきた - 0日目

リクルートマーケティングパートナーズでAndroid / iOSアプリの開発を担当している平野です。

2017/4/3〜5に行われたチームラボの高須さん主催のニコ技深圳観察会に参加してきました。ニコ技深圳観察会は、高須さんのガイドにて3日かけて中国広東省の深圳にあるハードウェアベンチャーやアクセラレータ、Makerスペースなどを巡るツアーです。

このニコ技深圳観察会の参加者はレポートをブログ等に掲載するというルールのため、会社のブログを借りてレポートを掲載します。

なお、今回のニコ技深圳観察会は有休を使った私費での参加であり、リクルートマーケティングパートナーズの業務とは一切関係ありません。

記事一覧

深圳通

深圳通(Shenzhen Tong)はSuicaのような地下鉄やバスといった公共交通機関に乗ることができる非接触型ICカードです。観察会の参加者にはあらかじめ「(券売機だとすごく並んだり、お金の認識精度がマジで悪いので1)Wikipediaによると「深圳通を所持していない場合、地鉄においては乗車の都度トークンを購入することになるが、券売機が1元コインと5元札しか受け付けず両替も不便である点には注意を要する。」とのこと。)深圳通買っておいてね」というお知らせがあったので、中国側の羅湖駅の売店で購入。値段は100中国元(約1,600円)で、利用可能分が50元、デポジットが50元という内訳。地下鉄の運賃がだいたい2〜5元のため、数日程度の滞在ならチャージは必要なさそうでした。

チャージも駅で機械を使って簡単にできそうなので、チャージすることになってもそんなに困ることはなさそうです。駅の券売機がかなり使えない感じの上に時間によってはすごい並んでいたりするので、地下鉄に数回乗るなら深圳通を買ってしまった方がよいでしょう。

深圳通はこんな感じの販売所で売っています。香港との国境である羅湖駅では販売所のほかに深圳通の自動販売機もありました。
深圳通はこんな感じのカード。このカードはクレジットカード大ですが、もっと小さいカードやキャラクターの形で切り抜いた四角ではないカードがあるようです。

世界最大の電気街「華強北」

今回の観察会では深圳の電気街「華強北(ファーチャンベー/hua qiang bei)」ツアーがなかったので、観察会前日に深圳に入った人たち向けに高須さんらが華強北を案内してくれました。
「華強北」2)華強北を紹介する日本語の記事では電気街の一帯を「華強北(hua qiang bei)」や「華強北路(hua qiang bei lu)」と呼んでいますが、「華強北」はあの一帯の呼び名、「華強北路」はその中でも電気街が集まった道路のことを指すようです。この記事では電気街を「華強北」と呼んでいます。は秋葉原の30倍3)資料によっては秋葉原の10倍と書かれていたり30倍と書かれていたりとまちまちですの大きさを持つといわっる世界最大の電気街です。

自転車シェアリング

深圳では自転車シェアリングがすごい勢いで普及していました。街中にある自転車にあるQRコードをスマートフォンアプリで読み込むと自転車のロックが解除され、街中の好きな場所に乗り捨てることができます。わざわざステーションを探す必要すらありません。

街中にある自転車シェアリングサービスの自転車

上記の写真のオレンジ色の自転車がMobike(摩拜单车)、黄色い自転車がofo(共享单车)です。深圳の街中では他にも2社の自転車シェアリングサービスの自転車をよく見かけました。

自転車シェアリングの使い方やアプリについては下記の記事が詳しいです。
Ofo(共享単車)、Mobike(摩拜単車)、Xiaoming(小鳴単車)が繰り広げる三つ巴——上海バイクシェアリング戦争 - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

上記の写真では自転車が整然と並んでいますが4)華強北の繁華街のため特に自転車が集まっている、大半の場所では歩道のその辺に乗り捨ててあります。街中の本当にどこでも見かけるため、その辺で見かけた自転車をスマホアプリで借り、目的地に行ったらスマホアプリ上で返却手続きをする、と自動でロックがかかります

サービスによって単価が違うのですが、30分〜1時間で1元(16円)くらいと激安、しかも乗り捨て自由。日本ではちょっと考えられないサービスです。

街中に自転車が放置されている様子。アプリで自転車を借りる手続きをすればこれに乗っていくことができる。
自転車についているQRコード。アプリでこのQRコードを読み込むと自転車の鍵が解錠する。

高須さんが4ヶ月前に深圳に来たときにはまだ自転車シェアリングのサービスは無かったらしいのですが、わずか4ヶ月で競合が4社、各社それぞれが数万台の自転車を街に投入するというものすごいスピードで普及し、そして使われていました。
サービス側もトラブル等の事前対策などあまりせず5)ofoの初期リビジョンの自転車は、誰もが思いつくような方法でハックして自分のものにすることができてしまう、とりあえず街に数万台の自転車を一気に投入してみてからどうなるかを見ているようです。
中国以外ではここまで短い期間でこれだけのサービスを一気に投入することは無理だし、そもそも自転車シェアリングのサービスは駐輪場や景観の問題が発生するため日本や他の国でのサービスインはかなり難しいでしょう。

自転車シェアリングを使うには中国のSMSを受けられる電話番号が必要なので私は使用することはできませんでしたが、実際に使った方の話を聞くとすごい便利そうでした。自転車を所有しなくても自転車が使え、盗難の心配もいらず、しかも自転車で移動すれば健康になるというユーザ側からすればメリットが大きいです。

サービス側もとりあえず自転車を街に大量に投下すれば、あとはほっとけばお金を稼ぐし、大量の自転車そのものが広告になるのでテレビ等での大きな広告費は必要ありません。ユーザがサービスに登録するときにデポジットを払うのでサービス側は大きなキャッシュを持たなくてもいいので実に合理的。

日本からわずか飛行機で5時間の場所にこんなところがあるのは本当に衝撃です。

電気街

華強北の電気街は「華強北駅」を中心に半径1キロくらいというとんでもない大きさです。華強北には大きなビルがいくつもあり、全部あわせると秋葉原にあるヨドバシカメラの40倍ものフロア面積があるようで、そのすべてが秋葉原のラジオデパートみたいな感じ。

ビル内に小さな店舗が大量に入っている
Photo by Yosuke Yamada.
華強北にはこんなビルが数十ある
Photo by Yosuke Yamada.

B2Cでも使えそうなものもあるにはあるのですが、売ってるものの大半が大量のスイッチとか工場の生産ラインで使うリールにセットされたチップとか、大量のコネクタとかほぼB2B向けの製品。なので店舗で購入している人はほとんど見かけませんでした。B2Bだとそもそも店舗に行ってモノを買う必要は無いので、華強北の店舗はタオバオ(淘宝网)等の通販サイトの倉庫代わりだったり、B2Bのためのショールームだったり、ついでに店舗でもパーツを売っているという様子でした。

いろんな種類のコネクタ。1個から数万個まで売ってくれるらしい。
フラッシュメモリのチップ。本当にSanDisk製なのだろうか…?
おしゃれなLED電球を売っているお店。普通のLED電球を売っている店が秋葉原のヨドバシカメラの5〜6フロア分はあるので、こういった差別化が重要なのだろう。内装デザイナーと思わしき人が来店していた。

出来合いの製品もあるのですが、それらはほぼ偽物とのこと。ケーブルやスマートフォンケースを買うくらいならいいでしょうが、それ以外の製品はネタ以外では買うのはオススメできないようです。

ルンバっぽい何か。数千円程度です。

パクりや似たような製品がここまで多いのは、いろんな製品の基板が出回っており大量に買えることや同じようにいろんな製品のプラスチックケースが出回っている6)基板実装工場から設計が流出したり、金型も当たり前のように流出したりしているらしいので、それらを外から買ってきて組み立てるだけで簡単に製品を作ることができるためのようです。

「LEDを作っている人なんかがBluetoothスピーカの共通基盤とケースにLEDをくっつけて売り出す」みたいな製品が大量にありました。

2輪ホバーボード
2輪ホバーボードのマザーボード。こんなものが普通に出回っている。

スマートフォンのパーツばら売りビル

諸事情で写真はないのですが、華強北に1フロアがまるまるスマートフォンを分解してパーツをばら売りするビルにも行きました。そこではブースにいるおばちゃんやお姉さんが魚を3枚におろすがごとく、半田ごてを手にスマートフォンのケースを開け、液晶・バッテリー・基板を取り出し、カメラモジュール等に分解し、パーツ単位販売していました。実に見事な手さばきであっという間にスマートフォンがパーツに分解されていくのには本当にびっくり。

また、近くのフロアには壊れたスマートフォンや携帯電話を回収し、パーツに分解したものを量り売りしてました。携帯のメインボードや、SIMトレイが量り売りされているところが世の中にあるなんて世界は本当に広い。

分解されたパーツは電気街にあるスマートフォンの修理ショップなんかが買っていくのだろうけれど、量り売りされていたジャンクのパーツは誰がどういう目的で買っていくんだろう? ちょっと想像がつかないです。

WeChat Pay(微信支付)

深圳ではWeChatの決済サービスWeChat Payがコンビニから中華料理店からタクシーから小さな屋台や露天、電気街の小さなお店まで本当にどこでも使えました。WeChatアプリを立ち上げて店舗に掲げられているQRコードを読み込み、支払額を入力するだけでまったく現金を介さずに決済ができます。支払いの際も店員にウェイシン(微信)とかウェイシン・シーフー(微信支付)と言うか、スマホ片手にWeChatアプリを見せればWeChat Payでの支払いにしてくれました。

屋台にあったWeChat Payの支払用のQRコード。WeChatのアプリでこのQRコードを読み込み、支払い金額を打ち込むだけで現金のやりとりをせずに決済できる。

個人間送金も無料でできるので、割り勘のときも送り先のアカウントを指定してお金を送付するだけです。

WeChat Payへのチャージは中国の銀行口座を持っている必要があるので旅行者はチャージできないのですが、ホテルのフロントの人に現金を渡して個人間送金をお願いすれば応じてくれるのでそれでチャージすることができます。

私は現地での支払いの半分くらいを現金でしていたのですが、場所によっては「えっ現金なの?」みたいな顔をされました。聞いた話によると「コンビニに強盗が入ったがほとんど現金がなかった」とか「最近では野菜の量り売りのおばちゃんまでもがWeChat Payでの支払いに対応している」というところまで来ているようです。

WeChat Payだけで生きていけるというのは実際に体験してみると衝撃的で、初めて使ったときには本当に「未来が来た」と思いました。本当に財布がなくても生活ができるんじゃないかと思うレベルです7)深圳在住の方によると「財布を一切出さないですんでしまう日もある」と言っていましたWeChat Payを体験するだけに深圳に行く価値があるような気がしています。

ストリートミュージシャンの投げ銭すらWeChat Pay/Alipayに対応している。まさしく未来。
(こちらは観察会の写真ではありません)
Photo by 金宗泰

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脚注

脚注
1 Wikipediaによると「深圳通を所持していない場合、地鉄においては乗車の都度トークンを購入することになるが、券売機が1元コインと5元札しか受け付けず両替も不便である点には注意を要する。」とのこと。
2 華強北を紹介する日本語の記事では電気街の一帯を「華強北(hua qiang bei)」や「華強北路(hua qiang bei lu)」と呼んでいますが、「華強北」はあの一帯の呼び名、「華強北路」はその中でも電気街が集まった道路のことを指すようです。この記事では電気街を「華強北」と呼んでいます。
3 資料によっては秋葉原の10倍と書かれていたり30倍と書かれていたりとまちまちです
4 華強北の繁華街のため特に自転車が集まっている
5 ofoの初期リビジョンの自転車は、誰もが思いつくような方法でハックして自分のものにすることができてしまう
6 基板実装工場から設計が流出したり、金型も当たり前のように流出したりしているらしい
7 深圳在住の方によると「財布を一切出さないですんでしまう日もある」と言っていました

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