40歳でSIerからリクルートへ ~初転職で感じた驚きやギャップ~
はじめに
こんにちは。ICT統括室の廣瀬です。
私は15年間大きなSIerで特定のお客様を担当するシステムエンジニア業務を担当した後、リクルートに転職してきました。40歳での初転職でした。
いくつか兼務や異動をしながら、現在は基幹システムの開発、運用などに携わっております。
前職経験を活かしながら約9年間在籍しておりますが、SIerからリクルートへの転職で立場が変わる中、たくさんの驚きやギャップがありました。いくつかのエピソードを交えて紹介します。
考えることが大きく変わる。いわば真逆。
一番のギャップは、どうやるか?を考え実行することと同時に、何のためにやるのか?自分はどうしたいのか?について考え、表現することが求められる点です。
とあるセキュリティルール上作っていた物理的な囲いに対して「そもそもなんでそれをやってるんだっけ?無くせないんだっけ?」と質問されたことがありました。私自身は目的があるルールに従って実行していたため、そのルールの目的を説明したのですが、
「いや、そうじゃなくてその目的を達成することで本当に良くなってるんだっけ?」との追撃でした。他の場面でも「そもそもなぜ?」という問いに多々直面し、そこに戻ったら話が進まないじゃないか、と大いに戸惑いました。
なぜ「どうやるか」ではなく「そもそも」の話をしてくるんだろう、の疑問が浮かぶ日々でしたが、ある日ふと、「何のためにやるのか」に自分の思考を回せていないことに気づきました。
自社のシステムや案件を担当し自分事として取り組んでいくにあたり、できることの幅が変わっている。みんなで考えた結果、最初に設定されたゴールも変えてもいいし、ルールを変えてもよい。「これをどうしたいのか?」という自分の意思をちゃんと持つということを求められているのだと。
前職でも「お客様のシステムでも自分のシステム」と捉えて取り組んできたつもりでしたが、これは立場が「真逆」に変わったのだと感じたのを良く覚えています。
ここはSIer出身の多くの方が一番苦労しているポイントで、私もいまだに追いつけていません。ですが、この考え方の転換、そういう考えを持ちながら日々の業務を実行することが、一番チャレンジングでこの9年間の一番の成長ポイントだな、と感じます。
実を取る風土。意思決定が早い。意味が無いことはしない。
転職直後に担当したシステムで大きなトラブルが発生。日中原因を必死に調べましたがなかなか原因がわからず、夕方時点で夜勤体制も取ることになりました。その後、夜にやっと原因にたどり着き、暫定対処で当面システムを動かせるところまでたどり着きました。
「ここから上層部向けの報告まとめかな。再発防止策を考えないとな。帰れないな。」と、私が思っている中、リーダーが現場のフロアでみんなに言った言葉が、「はい。解散!続きは明日!」でした。
「帰れるのか!?報告書は?」と驚きました。実際、上層部からのコメントも「ありがとう!お疲れ様!」と問題を解決したことへの今日の感謝でした。
「あーそうか。その方が実があるんだ。みんなが体力を回復して、朝から今後のこと考えた方が絶対いいし。」と気づかされました。
また、とある問題の対策方法を会議で説明した時に、会議では「この方針でいいね」となりました。
決まったことに安堵しつつ「次はどの上位会議体での審議になりますか?」と質問をしたところ、「いえ、今決まりましたよ。」と言われました。採用されたのはシステム構成に多少インパクトがある案だったため、ローカル会議で決まることにびっくりしたことも印象強く覚えています。
ものにもよりますが、ある程度のことは現場で決めていいんだ、お客さんにくっついているわけではないので自分が決める立場なんだ、ということにも気づかされました。
業務とプライベートが両立しやすい。業務の仕方も真逆。
また、当社では計画的な休みに加えて、急に発生する家庭対応のための時間が取りやすいです。打ち合わせが重なるような日も、関係者がほぼ社内のメンバーなので調整がしやすく、子供の発熱等の保育園、学校からの連絡対応でものすごく助かります。
前職と比べ、労働時間は大幅に減りました。規定の時間を越えた労働は規制ではなく、本当にできません。
ですので、複数のことを効率的に実行する必要がありました。会議も30分、1時間で必ず終わります。次から次に頭を切り替えねばならず最初は苦労しました。
結果、時間でカバーするという仕事のやり方はできなくなり、効率的に頭と手をぶん回す、という「真逆」のやり方に変える必要があり、これも大きなギャップでした。
今でも日中は集中して業務を進め、夜間、休日はちゃんと家庭に時間を使い切り替えできるように日々取り組んでいます。
最後に
前職15年からの初転職、SIerから事業会社へという変化であったため、自分の中で常識だと思っていたことがガラガラと壊れていく、という経験を多く踏めました。変化の激しい9年間で、今でも刺激的な日々を送っています。
ですが、15年間SIerという立場を経験したからこそわかることも多々あります。ともに業務を支えてくれているパートナー様が、何を気にしているかは痛いほどわかるので、同じ方向を向いて動けるような調整はしやすかったり、あの経験が今役に立つのかということも多く、15年間の前職は一つも無駄ではなかった、と感じています。
リクルートにはSIer出身以外にも、多様な職種を経験している仲間がいます。今後もさまざまな知見を出し合いながら、日々業務を前に前にと進めていきたいと思っています。この記事でリクルートの業務や風土に興味を持っていただけましたら幸いです。
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