リクルートテクノロジーズがリクルートグループで求められること
柴田 麻衣
1.リクルートグループ各社とリクルートテクノロジーズの位置づけ
リクルートグループは、2012年の分社化で大きく分けて10の会社に分かれました。じゃらんやホットペッパー、Airレジなどを運営するリクルートライフスタイル、ゼクシィやカーセンサーを運営するリクルートマーケティングパートナーズなど、サービスを持つ会社は「事業会社」と呼ばれます。
一方、リクルートテクノロジーズは、各事業会社に対してIT・マーケティングのプロフェッショナル集団として横断的にソリューションを提供する会社です。
その中でも、私の所属するSEOグループは、国内外のリクルートグループのサービスに対して、SEOやコンテンツマーケティング、時にはSEOに閉じない集客の提案や施策推進を実施しています。
今回は、SEOに携わる立場の私から見た、リクルートテクノロジーズのSEOグループの私たちが、リクルートグループで求められることについてお話しさせていただきます。
2.各社との連携状況
私たちリクルートテクノロジーズのSEO担当は、リクルート全てのサービスに入って携わっているわけではありませんが、現時点ではほぼ全ての事業会社と何かしらのサービスにおいて連携しています。
各事業会社の集客担当とともに推進をしているケースもあれば、事業会社のサービスの集客担当として1人で施策推進をするケースもあります。また多くのケースで、SEOだけでなくコンテンツマーケティング、モニタリングの整備なども幅広く実施しています。
各サービスでSEOやコンテンツマーケティングの推進状況や競合状況、開発体制などが異なるため、まずは状態をしっかり把握し、その時々で必要な取組みを実施しています。
3.リクルートテクノロジーズの私たちが求められる役割について
リクルートグループは、各社にも集客担当メンバーがいるケースが多く、私たちリクルートテクノロジーズのメンバーは、その担当と一緒にSEOの推進をしています。
リクルート各社の集客担当は、集客全般を見ているメンバーもいますし、SEOを専任しているメンバーもいますので、その時々によって私たちの役割や仕事内容は微妙に異なります。
しかし、どんなサービスや状況においても、共通して私たちが求められていることは、「そのサービスが今やらなければいけないことを定義し、立案し、実行し、成果を出すこと」です。
この4つのプロセス全てを、私たちがプロフェッショナルとして責任を持って実施することが、共通して求められることです。
定義、提案
SEOの取組みのほとんどは、まず始めに「そのサービスが今後1年、3年の間に、何をしなければならないのか」という方針を定めるところからはじまります。リクルートテクノロジーズでは独自の分析ツールと分析手法を用いて、マーケットにおける自社/競合の状態を可能な限り数値化し、可視化しています。また担当者自らが課題と施策を抽出し、施策の実施推進難易度や開発規模を考えながらプランニングを行います。
方針は定量、定性の両方の観点から定め、施策推進の計画を立てますが、動きの激しい業界なので、計画は常に見直します。
まずはこういった形ですべきことを「定義」し、計画を関係者全員に「提案」、計画の内容を全員で納得した上で、施策を推進します。
ここの「定義」と「提案」は、私たちが非常に大事にしていることです。
計画の提案の際、内容に納得いかない、何か違和感があるというフィードバックをもらうことがありますが、これはサービスのバックグラウンドに動かせない変数がある場合が多く、そういった各サービスならではの状況を私たちがしっかりと理解した上で支援を進めないと、この後の「実施」、施策推進をやり切ることが困難になります。
そのため、計画をすべての関係者で共有し、納得してもらったうえで施策推進することが私たちが効果を出すためには重要なステップとなっています。
実施、効果
同じリクルートグループだからこそ、私たちがやらなければならないことは「実施」のフェーズです。
提案なら誰でもできますが、これをやり切ることは誰でもできることではありません。
リクルートグループは全体的に非常に成果にコミットしている会社です。
私たちがどんなに良い計画を提案しても、そこで打ち立てた施策を実施しないと成果は出ません。施策推進をしてこその成果なので、私たちもこのフェーズにおいてはしっかりと責任を持って進めます。
施策推進のフェーズでは、私たちは開発担当やUX担当と直接コミュニケーションを取り、実装方法について議論します。
大きな開発が絡む施策は、検討した施策がそのまま実装されるケースばかりではありません。場合によっては、そのままお蔵入りとなる施策もあるかもしれませんが、私たちは多くのサイトで実装した知見を生かし、多くの実装方法や代替案を持って、施策を推進していきます。
4.私たちが、今後求められる役割について
上記に挙げた内容は、今、私たちが求められているベースのことです。
しかし、常に進化し続けるリクルートグループにおいては、さらにさまざまなことを私たちは求められると思います。
最適な集客、最適なユーザー接点を拡大するための提案、集客で繋がったユーザーに対して、最適な体験を提供すること。
そのために事業会社との連携だけでなく、同じくプロフェッショナルなソリューションを持つリクルートテクノロジーズの他グループとの連携など、求められることはSEOの推進だけにとどまらず、集客全般やUI/UXに渡ると思います。
また、リクルートテクノロジーズのSEOグループでは、海外のグループ会社のSEOも手掛けているため、国内だけの知見ではなく海外での知見を貯めて早く全社に展開していくことも重要な役割だと思っています。
今後も進化する世界で、常にリクルートグループがより良い状態を築いていけるよう、
リクルートグループ一丸となって、その成長のサポートができるよう、
リクルートテクノロジーズの1人として携わっていきたいと思います。