ファシリテーターの板書テクニック 3つの基礎 ~準備編~
田中拓也
こんにちは。リクルートマーケティングパートナーズ UXデザイングループ UXチーム 拓也です。
みなさん、『ミーティング』ってうまく進行できていますか?進行していると様々な課題が出てきますよね。
「議論が脱線して何も決まらない」
「今、何を話しているのか分からない」
「とりあえずミーティングに参加したけど、話すこと無い」
これらを解決する方法のひとつが「板書」です。ミーティングでファシリテーションを行う役割になった方は肝に命じてほしいひとこと ……
「板書を制す者は、会議を制す」
議論の空中戦になっていたり、対話ではなく会話になっていないか?それを防ぐ方法は、「板書」なのです。今回は、その板書の基礎である準備における3つの必要なことについてお話します。
1.事前準備:
ミーティングの目的、ゴール、アジェンダを共有しておく
議論が空中戦になってしまうのは、今現在、何の課題にフォーカスし対話しているかがわからなくなっている状態だからです。であれば「今何の話をしているのか?」「このミーティングのゴール(アウトプット)は何になるのか?」を明確にすればよいのです。
でもどうやって?
それはこれから紹介する事前の準備から始まります。
事前準備
- Wikiやコンフルエンスなどを利用しているのであれば議事録ページを作成しアジェンダを書いておく
- ページもしくは先にアジェンダを参加者にメールで共有しておく
- 宿題等がある場合は事前にネゴシエーションを行い、ミーティングまでに用意してもらうなどの手配をする
当たり前のことかもれませんがコレができない ……。ファシリテーターの仕事はミーティング開始前から始まっているのです。
2.MTG直前5分前:
ゴールとアジェンダをホワイトボードに先に書くことで明確にする
「板書を制するものはミーティングを制す」
議論の可視化を行いながらのファシリテーションはとても重要です。そのためにも開始の5分前にはミーティングルームに入っておき、前もってホワイトボードに以下のものを書いておきます。
先に『ゴール』、『アジェンダ+時間』、『アクション』を表記しておくことがとても大切です。こうしておくことで、たとえ議論が違う方向に脱線してしまった場合でもすぐに話を戻すことができます。
ここ、結構重要!
3.MTG中:
ファシリテーショングラフィックを駆使して議論の情報構造化
議論が進むにつれて板書も構造化しながら表記する必要があります。今話しているのは質問なのか?拡散議論なのか?決定なのか?ファシリテーターが他の方がしているのであれば事前に打ち合わせを行い板書の構造化を行いながら進めるのがよいと思います。
様々な見せ方がありますが、代表的なものに以下のものが挙げられます。
議論が拡散しすぎて書きづらいという場合は、ロジカルシンキングでよく使われるミーシーなフレームワークを利用することで議論の収束を促します。
代表的なフレームワーク
これらのフレームワークを利用するときに注意することがあります。もし議論が拡散しすぎている際に突然フレームワークを持ちだして収束を促してしまった場合は、参加者に対して提案のように聞いてみてほしいのです。
「今の課題の話ですが、このようなフレームワークがあります。こちらを使って整理するとより見やすくなると思うのですが、みなさんいかがでしょうか?」
と聞いてから進めてください。
「ファシリテーターに誘導された!」と参加者が思ってしまうと、彼らの中に嫌悪感が湧き起こって議論がどんよりする恐れがあります。あくまでもこのミーティングの主役は「参加者」なので、彼らからの許諾を取ることが大切です。
おまけ:
ホワイトボードのペンの持ち方
様々な色のペンを使いたいときってありますよね?毎回持ち替えたりするには時間がかかってしまい、それに戸惑って聞き取り忘れることがあります。
そこで、ペンを素早く持ち替えるためのコツをご紹介しましょう。
このように持つことで、毎回ペンを置いて持ち変えるロス時間を短縮すると共に、様々なペン色を使いまわすことができます。要点や注目させたい箇所に使いたいときに瞬時に色を変えるなんてことも出来てしまいます。
このように、ファシリテーターはミーティング時に参加者の脳の拡散と収束を常に行い、議論のなかで多くの気付きをさせて活発でかつゴールに向かうようにサポートを行うのが役目です。
このように、ミーティング時におけるファシリテーターの役目は参加者の脳の拡散と収束を常に促すことにあります。議論を通して多くの気付きをしてもらい、ゴールに向かうためのサポートをするのが大切です。
ぜひ活用してもらえればと思います。